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#151 [七氏]
Sは鬼になっても走らないでトボトボ歩いていた。チャイムがなってもそれは変わらなかった。
チャイムがなるとみんないっせいに教室に向かい自分の席に着いた。S以外は全員自分の席についた。
『あいつ追いかけてこないからつまんねーな』『あいつなんなんだよ』
などとみんなでSの文句をいっていた。そしてまもなくしてSは教室に入って来た。
そしてなぜか泣いているふうに見えた。Sはイスに座っている俺にまっすぐ向かってきた。
そしてあろうことか俺に殴りかかってきた。どうやらイスから無理やり立たせようとしてきたのだった。
それとほぼ同時に担任が教室に入って来たのでそのまま喧嘩にもならないまま終わってしまった。
:10/08/12 03:48
:W56T
:hLmSbAeo
#152 [七氏]
Sのやった行動はクラスの奴が全員みていたのでSと遊ぶ奴はもちろん、話す奴もいなくなってしまった。
そしてSの半径5m以内に近づかないゲームというのがクラスで流行りだした。
これはSと同じクラスの間中ずっと続いた。
・・そういえばSが授業中に寝るようになったのもこの頃からだったような気がする。
小学校6年の7月くらいに席替えでSと同じ班になった。
これは狭い会議室を一緒に掃除する事を意味していた。
さすがに近づかないゲームは終わっていたが関わりたくなかった。
この会議室は先生が見ていない場所なので、だれも真面目に掃除をするものがいないところだった。
俺は手のひらの上にホウキを乗せてバランスをとって遊んでいた。
他のやつらも適当にホウキを振り回して時間を潰していた。Sだけが糞真面目に掃除していた。
:10/08/12 03:50
:W56T
:hLmSbAeo
#153 [七氏]
掃除の終わりを告げるチャイムが鳴った。
みんなそれと同時にホウキを掃除箱に放り込んで逃げるように会議室をでていった。
俺はほうきでバランスを取る遊びの途中だったので、
バランスを崩して終わったらホウキをしまおうと思っていた。
俺はバランスを崩しゲームが終わった時
会議室にSと二人きりということに気づいたので、すぐにほうきをしまって教室から出ようと思った。
そして同時にしまったと思った。Sが掃除箱の前で仁王立ちしているのだった。
今思えばホウキをその辺にほっぽり出して教室から出ればよかったのだが。
ホウキが出ていると怒られると思ったので、
Sに言った『そこ邪魔だからどけよ・・』
Sは言った『あの時タッチされてない』
そういうと猛ダッシュでSは俺から逃げていった。
:10/08/12 03:54
:W56T
:hLmSbAeo
#154 [七氏]
教室に帰ってからもSは追いかけてもいないのに俺から勝手に逃げ回っていた。
自分のイスに座るとSはニヤニヤして勝ち誇った顔で俺を見てきた。
あの時の続きをやっているのだろうか??
そしてこれは、この日から毎日続いた。
最初は呆れていたし相手にしていなかったが、まえに突然殴られたときやり返していなかった事なども
あってか、凄くムカつくようになった。
しかし、タッチでもしようものならこの馬鹿と鬼ごっこをすることになると思ったのでこらえた。
相手にしなければ勝手に止めると思っていたが、Sの行動はエスカレートしていった。
トイレに行くのにもイスに座ったまま引きずりながら行くようになったのだ。
そして勝ち誇った顔で俺を見てきた。俺はSがムカついてしょうがなくなっていた
:10/08/12 03:56
:W56T
:hLmSbAeo
#155 [七氏]
そして俺はある事を思いついた。
終業式の日に俺がタッチして逃げれば学校が始まるまであいつはずっと
鬼になるのだから、もの凄く悔しがるに違いないと思ったのだ。
もちろんSは俺の住んでいるところを知らないし。教えてくれる友達もいない。
あいかわらずSは俺から逃げ回っていたが、タッチされた時の悔しがるさまが想像できて
逆に笑えるようになって来た。
そして、とうとう終業式の日がやってきた。俺はSが運動靴に履き替える為に上履きを脱いだ時に
タッチして逃げると言う作戦を立てていた。
終業式が終わり帰りの会も終わった。俺はSを相手にしていないふりをしてそそくさと教室をでた。
Sは馬鹿なので学校で使う道具をこまめに持って帰っていなかったので、Sの机だけ荷物が
凄いことになっていた。俺は逃げやすいように手ぶらで済むようにしていた。
:10/08/12 03:59
:W56T
:hLmSbAeo
#156 [七氏]
俺は運動靴をはいて、隠れてSが来るのをワクワクしながら待った。
30分くらいして、パンパンのランドセルを背負ったSが、荷物をひきずりながら歩いてきた。
Sが上履きを脱いだ。俺はその瞬間うしろからSの頭をおもいっきりはたいて、『タッチーw』と
憎々しい声で言ってその場から全速力で逃げた。
Sは想像以上のもの凄い反応をした『ををぉーおー』ともの凄い大声で叫んだのだ。
俺は笑いながら走った。必死で悔しがりながら走ってくるSを見てやろうとふり返った。
この時はあの大荷物じゃ走って追いかけてきてないかもしれねーつまんねーのなどと思っていた。
しかしSは靴下のまま、荷物もほっぽり出して俺を追いかけてきていた。Sの必死さに俺は大笑いしながら走った。Sは『殺す!』『呪う!』『待て!』を
もの凄い声で叫んでいた。最後のほうは喉が変になっているのに無理やり出しているような声だった。
俺は家に帰ってからも笑いが止まらなかった。あーせいせいしたと心から思った
:10/08/12 04:01
:W56T
:hLmSbAeo
#157 [七氏]
夕方頃、家でテレビを見ていると、『をおうー』という人間とはおもえないような声が聞こえた。
Sが殺すといっている声だと直感的に感じ冷や汗がでてきた。
あいつ、まだ探してるのかよ・・俺・みつかったらどうなるんだよ・・と
その日の夜、家に緊急電話連絡網が、回って来た。
Sが死んだからだ。
トラックに跳ねられたらしい・・
後で知った事だが信号を無視して道路に飛び出してきたらしい
そして靴を履いておらず足の裏と喉がズタズタだったそうだ。
そして、Sが事故にあった時間は丁度おれがあの声を聞いた時間だった。
Sが大荷物で教室から出てくるのが遅いせいか、俺が関っている事は誰にもばれなかった
もしかしたら死ぬ直前まで、Sは叫びながら走り続けていたのかもしれない・・
あの不気味な声だけで終わればどんなに幸せだった事か・・
:10/08/12 04:03
:W56T
:hLmSbAeo
#158 [七氏]
その夜、Sが死んだ日に聞いたあの声が聞こえてきた。
今度は追いかけられる番なのかもしれないと思った。
それからというもの、俺は毎日イスに座って過ごしている。
イスに座っていれば安全かもしれないと思っているからだ。
今はまるであの時のSのマネをしているような生活をしている。
イスに座って寝ている様など、授業中に寝ていたSそのものだ。 今ではSのように他人が突然追いかけてくるようにおもえて近づくことができない
また半径5m以内に近づけないゲームをやることになるとは、何と言う皮肉だろう。
:10/08/12 04:04
:W56T
:hLmSbAeo
#159 [七氏]
「ある葬儀屋の話」
ある小さな町でAという身の丈190cmの大男が死んだ。彼は乱暴で粗雑、しかも何ごとも根に持ち
ささいな子供のいたずらにも酷い仕返しをするので皆から嫌われていた。
彼を変人呼ばわりした近所の小学生を捕まえ、顔が紫色に腫れ上がるまで平手で打ち付け暴行罪で逮捕された経歴まである。
身寄りもおらず、日雇いの汚い仕事で稼いでは酒を飲んでいたので、肝臓でもやられたのだろう。
町で唯一の葬儀店Bの店主もこの男が大嫌いだったが
役場からのたっての頼みでしぶしぶ安い葬式をあげることになった。
適当に死体を洗い、一番安い棺桶に押し込め、売れない坊主を無理矢理説得してお経をあげさせた。
異変が起きたのは葬儀が終わり棺桶を火葬場に運ぶときだった。
他に葬儀が重なってしまったせいもあり、霊きゅう車が手配できなかった店主は
軽トラックの荷台に積んでAの亡骸を運ぶことにした。
それほど遠い距離ではなかったが、大事をとって店主自らが荷台で棺桶が落ちないよう見張ることになった。
:10/08/12 04:12
:W56T
:hLmSbAeo
#160 [七氏]
特に坂道や悪路もなく店主が荷台に乗ったのはあくまでも念のためだった。
が、しばらく行くと石でも踏んだのか急に棺桶が大きく揺らぎ、 店主は荷台の外枠と棺に足を強く挟まれた。
すぐに病院に運ばれたが、店主はスネから下を酷く複雑骨折しており
仕方なく切断することとなった。
しばらくして、「葬儀店Bの店主は自業自得だ」という声が町に出始める。
坊主がこんな事実を暴露したためだ。
あいつはAのサイズに合う棺桶を作るコストをケチって、
普通のサイズの棺桶に無理やりAの亡骸を納めたんだよ。
どうやったかって?
もちろんスネから下をノコギリで切断したのさ。
:10/08/12 04:13
:W56T
:hLmSbAeo
#161 [七氏]
「喪失」
ある日から変な夢を見始めたんです。
ノコギリを持った男に追い掛け回されて最後は腕を切られちゃうっていう。
何故か夢の中だと進もうと思っても前に進めず、壁を登ろうにも壁に手が引っかかり
登れませんでした。
切り落とされたところでハッと目が覚めて腕を確認。ちゃんとついてる。
夢だったんだとわかった時は心底ホッとしました。
それくらい生生しい夢だったから。
もうあんな夢見たくないなぁと思いながらその日は憂鬱な気分に苛まれてました。
でも次の日もまた夢であの男に追い掛け回されたんですよ。
今度は反対の腕をガリガリガリガリ切られました。
噴き出す血とか物凄くて、夢の中で何度も何度も叫びました。
夢だからか痛みは無いんですけど、そのリアルさで気が狂いそうでした。
:10/08/12 04:26
:W56T
:hLmSbAeo
#162 [七氏]
夢の中の僕はこれで両腕が無くなったわけです。でも不思議と喪失感はありません
でした。
その次の日からは脚でした。
腕の時同様、付け根辺りからノコギリでゴリゴリガリガリ、切り落とされます。
やっぱり夢の中では抵抗どころか動く事も満足に出来ず、されるがままでした。
もうこんな夢は見たくないと強く願ったんですけど、その翌日まで夢は続きました。
残った一本の脚を男は躊躇無く僕の体から分離させました。
もう体には腕も脚もない。ダルマのような状態になってしまいました。
でもやっぱり喪失感はありませんでした。
そこでやっと夢が醒めたんです。ホント変な夢だったなぁって思います。
長い夢だなぁとも思いました。
だって僕は生まれた時から両腕も両脚も無かったんですから。その日からもうそんな夢は見なくなりました。
:10/08/12 04:27
:W56T
:hLmSbAeo
#163 [七氏]
「怖いmixi」
友人から聞いた実話。
mixiって知ってるよね?
中には何百人もマイミク作っている人もいるかも知れない。
実際に体験したのは友人のマイミクなんだけど、
そのマイミク氏(以下X氏)もミクシィを毎日のように活用して徐々に友達を増やしていった。
ある日、X氏のマイミクの一人が突然、失踪したらしい。
そのマイミク(以下Y氏)は職場に行くと告げたきり、誰にも言わず失踪した。
それをX氏が知ったのは一週間後。
ただし間接的に聞いただけだったし、さして仲がよかった訳でもない。
彼のトップページを覗いてももちろん更新されていないし、
Y氏について話題にする者も特にいなかったので、
X氏はいつしか失踪のことは忘れていた。
そんな、ある日。
mixiでY氏の日記が更新されていた。
:10/08/12 04:45
:W56T
:hLmSbAeo
#164 [七氏]
X氏は彼が帰還したのだと思い、暇つぶしにY氏の日記を閲覧する。
他愛のない内容だが、日記だからそんなものだろうと思っていた。
マイミクが数人程度のY氏にコメントをつける者もいない。
失踪以前と変わったといえば、日記をほぼ毎日つけるようになった事だ。
一ヵ月後、X氏が何気に新聞を開く。
お悔やみ欄にはY氏の名前が記入されていた。
まだ三十代前半。珍しい名前なので間違いないという。
X氏は慌ててmixiにアクセスしたら、
なんと死んだはずのY氏の日記が更新されていた。
タイトルは「まぬけ」
X氏は戦慄した。コイツは一体誰なんだ?
あまりに怖くてX氏はそのままmixiを退会したのだと言う。
友人はX氏の突然の退会を不審に思って、
彼のケータイに電話して、この話を聞いたらしい。
:10/08/12 04:47
:W56T
:hLmSbAeo
#165 [七氏]
その内、X氏とも縁がなくなった友人だが、
噂によれば、そのX氏も数日後に原因不明の失踪をしてしまったらしい。
それ以降は知らない。
ミクシィはそんな都市伝説なんかより、
名前だけでOR写真や何気ない日記から、読んでけば住んでる場所、職業、勤め先、家族構成まで、すべてが他人にバレるのが怖い。
知り合いが「家建てました。お金かかりましたのよ、建物だけで7千万ですの、おほほ」ってゆー日記書いて写真うPしたら、
ちゃねらーのネットウォッチ住人の何人かが家まで行って、
「玄関に、日記にあったフラワーバスケット発見!」とか、
「旦那さん〇〇の社員なのねー」とか書いてて寒気した…
:10/08/12 04:48
:W56T
:hLmSbAeo
#166 [七氏]
「詳しくはこのURL」
このお話はとあるサークルの飲み会からはじまります。
僕は大学の友達・鈴木君に誘われ、男10:女10の飲み会に人数あわせでお呼ばれされました。
鈴木君は仲間内での飲み会だったのであろう、大変はしゃいでいました。
僕は彼ら彼女らと共通の話題もなく、どんどん端に追いやられていきました。
そこには周りとは違う雰囲気のT君が座っていました。僕も黙って飲むのはあまり好きじゃなかったのでT君と会話をしてみることにしました。
T君は話してみると、ごく普通の「よくいるよそんな暗めなヤツ」でした。
彼もまた人数あわせの一人。彼の趣味はインターネットで有名な巨大掲示板の閲覧・書き込み、
そして、まとめることだそうです。
そこで、こんな話を聞きました。
:10/08/12 04:55
:W56T
:hLmSbAeo
#167 [七氏]
それは、ごくごくまれに板違いで同じIDが存在するとの内容で、今、それを彼は集めているとの事でした。
一つIDを適当に作り、その IDをひたすら探し回ってどんな発言しているか閲覧、時にはまとめたそうです。
彼が言うにはこのIDは掲示板上での名前であり、同姓同名の人を探すのと同じだという。
最近見つけたIDの書き込みは、独り言?の書き込みが
多く、でも誰かと会話している様な書き込みだそうです。
そして、決まって最後は「詳しくはこのURL」しかし、
そのURLはいつもサーバが見つからなかったが、二日前に始めてジャンプできたそうです。
とんだ先は何も書かれてない真っ黒なページだったそうです。
:10/08/12 04:56
:W56T
:hLmSbAeo
#168 [七氏]
時間も随分とたち、終電を逃した僕は、比較的ウチが近かった、T君のウチに泊めてもらうことにしました。
そこでも再び二人で飲みなおし、いつしか眠ってしまいました。
ふと目を覚ますと部屋は暗く、T君がPCのディスプレイに向かって座っていました。
僕はまだ眠かったので再び眠りにつこうと思い目を瞑りました。
すると、
「クスクス・・・ ククク・・・」
「アハ・・・ ハハハ・・・」 笑い声に似た音が聞こえました。
そーっとT君を見てみると先ほどとは違う表情のT君が居ました。
ディスプレイに目を移してみると、真っ暗なバックに赤い鳥居が描かれていました。何か嫌なものを見てし
まったような気持ちになり眠ったふりをすることにしました。
次の瞬間
「うひゃひゃ」
「うひゃひゃひゃひゃひゃ」
「うひゃ」
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
「死ね〜、死ね死ね〜〜」
「何処までも着いて行くからな〜〜」
僕は気を失い、T君の眠った顔を横目に逃げるように帰宅しました。
URLは自己責任でお願いします。
:10/08/12 04:58
:W56T
:hLmSbAeo
#169 [七氏]
「何故だ」
昔、まだ俺が小学生だった頃。
夏休みに入っていて、一日中家でゴロゴロしていた。
しかし、その日は家の近くのヨーカドーで母親と服を買いに行く予定だったので、準備を整えて家を出た。
ヨーカドーまでは徒歩では長く、自転車で行った。
その途中、歩道を自転車こいでいると向こうからよぼよぼの爺さんがふらふらと自転車をこいでいた。
俺は歩道の右側をこいでいたが、爺さんのふらふらな運転のせいで俺の自転車と危うくぶつかりそうになった。
俺がブレーキをかけたので間に合ったようなものだ。
「危ねえジジイだな…」
と思ってその場から立ち去ろうとしたが、爺さんが急に俺の腕を掴んで
「何故避けられなかったーーーーーーーーーー!!!」
と叫んだ。
「何故左に避けようとしなかったーーー!!!」
と何回も繰り返し叫んだ。
俺は
「爺さんの運転がいけないんだろ・・・」
と思ったが、頑固な年寄りにそんなことを言っても時間の無駄なので、とりあえずひたすらに謝った。
:10/08/12 05:18
:W56T
:hLmSbAeo
#170 [七氏]
「何故だーーーー!!!何故避けられなかったーーーー!!!!」
「すいません。これから気をつけます。」
「危ねぇだろーーー!!!!!」
「すいませんでした。」
とりあえず謝ったので先に進もうとしたら、爺さんがまた俺の腕を引っ張ってくる。
「何故だーーーーーー!!!」
いい加減ウザくなったので、無理やりに腕を払い、一目散にその場から逃げた
ヨーカドーで仕事帰りの母親と合流し服を二、三点買った。
母親は食料品も買いたいから先に帰ってて、とのこと。
俺は一人で出入り口に向かい、駐輪場に入った。 すると、さっきの爺さんが駐輪場のど真ん中に立っていて、俺のほうを睨み付けていた。
さすがに気味が悪くなり、俺の自転車へは向かわずにそのまま店へ戻った。 食品売り場に行くと、丁度会計を終えた母親がいた。
事のあらましを説明すると、母親も「うーん」と首をかしげた後に一緒に駐輪場に戻ることにした。
:10/08/12 05:20
:W56T
:hLmSbAeo
#171 [七氏]
怖くないし時間の無駄だったよ
:10/08/12 05:23
:W64SH
:gsSZj3YQ
#172 [七氏]
「ほらあそこ。」
店の角のところ(駐輪場からは見えない)から、駐輪場の様子を二人で覗き込んだ。
すると、さっきの爺さんはもういなかった。
俺が「よかったー」と安堵の声を漏らす一方で、母親はまだ首をかしげていた。
そして駐輪場―――俺の自転車が置いてある場所―――に戻ると、俺は絶句した。
俺の自転車のタイヤが、前輪後輪共に穴を開けられ、パンクしていた。
しかも、サドルが誰かの手によって無理やり切断されている。
俺は、すぐ近くで自分の自転車を取り出していた母親のところに泣きついた。
俺が自分の自転車を指差すと、母親と俺は一緒にそこまで戻った。
母親は俺の自転車を見て、しずかに
「交番に行きましょう。」
と言った。
ヨーカドー近くの交番へ、二人で行った。俺は怖くて、まだ震えながら泣いていた。
交番へ着くと、そこには優しそうな40くらいのおじさん警官が一人だけいた。
警官は、俺が泣いているのを見てただごとではないと思ったらしく、
「どうされたんですか?」
と驚き顔で尋ねた。
母親は、今までの全てのことを話した。
:10/08/12 05:23
:W56T
:hLmSbAeo
#173 [七氏]
すると警官が、
「なるほど・・・。じゃあ僕さ、そのおじいさんの特徴とか、覚えてるかな?」
と俺に話しかけてきた。
俺はそのときパニックで何も思い出せなかったが、しばらく交番にいるうちに落ち着いてきて特徴を話し始めた。
茶色い服を着ていたこと、顔が細長かったこと、タモリのようなグラサンをかけていたこと。などを。
「どういう自転車に乗ってたか、って覚えてるかな?」
と警官は尋ねてきた。自転車・・・
「やたらに前カゴが大きい自転車に乗ってました。」
警官は何かを考える素振りを見せ、俺に
「店から一人で出たきたときには・・・自転車はもう壊されていたの?」
と尋ねた。そういえば。あのときはあの爺さんに夢中で、自転車のことなど気にしてなかった!
「分かりません。その人に見られてる、ってことでパニックになっちゃって・・・」
すると警官が、母親に
「ちょっといいですか・・・」
と言って交番の奥に行ってしまった。
十分くらいして母親と警官が戻ってきた。
母親が、警官に
「いろいろとありがとうございました。」
と言って礼を言い、深々とおじきをした。
交番からは徒歩で家へ帰った。
:10/08/12 05:25
:W56T
:hLmSbAeo
#174 [七氏]
母親と警官がどういう話をしたかが気になったが、何度訊いても
「大した話じゃないわよ」
としか答えてくれなかった。
そしてその夜。もう少しで眠るか・・・と夢うつつだった時。
家の玄関をバンバンと叩く音が聞こえた。
時間は夜中の1時。
しかも、「何故だーーーーー!!!」という叫び声と共に。
俺は震え上がった。家がバレてる・・・
しかし、ふと疑問に思うことがあった。
俺は、母親と一緒の部屋で寝ている。
なのに、母親が一切起きない。
バンバン。
「危ねぇだろーーーーーー!!!」
こんなに大きな音を立てているのに。母親は起きてこない。
俺は母親を起こした。
「何よ、こんな時間に・・・」
「何じゃないよ!ほら、音!!爺さんが玄関で!!」
まだ音は聞こえる。しかし、母親は眉間にしわを寄せて
「あなた・・・やっぱり・・・」
と言って泣き出してしまった。
翌日。ピンポーン。と呼び鈴が鳴った。
「はーい」
と母親が玄関を開ける。
「ああ、いらしてくれたのね。」
玄関の前には、若い男が私服姿で二人立っていた。
男たちは家に入り込み、リビングでくつろいでいた俺のところに来た。
:10/08/12 05:28
:W56T
:hLmSbAeo
#175 [七氏]
男の一人が俺をひょいと持ち上げ、そのまま外へ連れ出そうとした。
俺は何が何だか分からず、母親のほうを見た。
すると母親は、俺のことを何かおぞましい物をみているかのような目で見てきた。
「え・・・?」
俺を担いでいた男がその手を離し、俺を床に落とした。
「痛てぇぇぇぇぇ!!」
俺は叫んだ。
俺はまた母親のほうを見たが、途端に視線を逸らされた。
もう一人の男が、床に仰向けに転がっている俺の腹に向かって思い切り頭突きしてきた。
「グエッ」
俺は声にもならぬ声を出した。
その男は一度のみならず、何度も頭突きしてきた。
俺は完全に意識を失ったが、
意識を失う直前に全てを理解した。
いつの間にか部屋から出てきた父親の笑顔を見た瞬間に・・・・
:10/08/12 05:29
:W56T
:hLmSbAeo
#176 [七氏]
暇潰しだからね
:10/08/12 05:29
:W56T
:hLmSbAeo
#177 [七氏]
:10/08/12 06:33
:F906i
:zlHAcnI2
#178 [七氏]
:10/08/12 06:48
:auSH3G
:sndxN6R.
#179 [タラスパ(^-^)]
:10/08/12 07:01
:P08A3
:nbYeA6Xs
#180 [七氏]
長々と読む気せんわw
:10/08/12 07:08
:SH03B
:.GJgqYMY
#181 [七氏]
すまん抜けてたこれ↓
116 本当にあった怖い名無し sage 2007/08/02(木) 13:59:08 ID:TtjLUWUa0
【設定】
主人公は、ちょっと精神がおかしい子で、両親は世話に疲れていた。
それでも、普通に生活ができるようになるまでは・・・と思っていた。
主人公は、実は自転車など持っていなかった。
なのに「自転車が〜」などというから首をかしげた。
その夜、ありもしない音に怯える息子を見て 完全に理性を失った、と思った母親は、夫と相談して
障害者である息子を殺害することを決めた。
しかし、我が子を自らの手で殺すのはためらわれたので
殺し屋に頼むことにした。どうせ幻覚を見ているのだから痛みも
感じずに死ねるだろう、と両親は思った。
母親は、完全に頭がイッちゃった息子を見て愛情のかけらも失っていた。
父親も、もうこれで障害者の世話をしなくて済むと思い、安堵した。
:10/08/12 08:46
:W56T
:hLmSbAeo
#182 [七氏]
:10/08/12 12:12
:940P
:IjouId82
#183 [観客さん]
オカルトのカだけデカイ
オカルト板に入る前ね
既出だったらスマン
:10/08/12 19:46
:P07A3
:dcipioQA
#184 [観客さん]
ん?
ルもデカイなww
スレ違いか
:10/08/12 19:55
:P07A3
:dcipioQA
★コメント★
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