>>828 【続き】
主人公の岸辺野裕里に扮する松にとっては、山田洋次監督作「小さなおうち」以来、約4年ぶりの主演作。久々の岩井組となるが、「『四月物語』から時間を経て、再びお話をいただけてとてもうれしかったです。このお仕事をしていて、新しい方と出会うことも面白いことではありますが、一度ご一緒した方に声をかけてもらえると『あっ、嫌われてはいなかったのかな』と思ったりします(笑)。でも時間は経っているので、“今”の仕事になるよう、一生懸命頑張りたいと思っています」と参加を喜んでいる。さらに、「この作品には切ない気持ちみたいなものがあふれていますが、決して岩井さんがそれだけを思っているのではないのかも、とも思います。回想シーンがまるで“今”のように描かれていますので、うまくそれがつながっていくといいなと思います」と語り、自らの役どころへの思いの強さをのぞかせている。
一方、岩井組に初参加となる広瀬は、現代パートでは母(未咲)を亡くした遠野鮎美、回想パートでは学校のヒロイン的な存在の遠野未咲に息吹を注ぎ込む。裕里の姉・未咲の高校時代、未咲の娘(裕里の姪)という役柄は、広瀬を新たな境地へと導くことになりそうで「岩井さんの作られる映画の空気が大好きなので、カメラの前で感じられた空気、温度を大切に、嘘なく、演じられるよう頑張ります」と意欲をみなぎらせている。