【トイレの上から】怖いコピペ総合【誰か覗いてる】
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#511 [(・´ω`・)]
もういっちょ。


小学五年生の頃、アメリカでワールドカップが開催された。
だからと言う訳じゃないけど、幼馴染のNとよく近所の公園でサッカーをしていた。
ある日
「たまには別の公園でやろう。」
という話になった。
自分達の行動範囲外で、まだ行った事のない公園。
「そこに公園がある」という事だけは知っている所に行ってみる事にした。
その公園は昼間でも薄暗くジメジメしていて、なんとなく神社の敷地を思い起こさせた。
俺もNもその薄気味悪い雰囲気が大変気に入った。
かなり遠い場所にもかかわらず、自転車で度々遊びに行くようになった。
その公園に行った何度目かのある日。
Nとその二歳下の弟のTとその公園で遊んでいると、五十歳くらいのオッサンが近寄ってきた。
髪は長く、黒々としていたけど、シワが深くて歯がボロボロ。
涎の臭いをさせていたのを覚えている。
そのオッサンと何を話したのかは忘れてしまったけど、その日三人でオッサンの家に行く事になった。
オッサンの家は公園のすぐ側で、通された部屋の窓からは、さっきまでいた公園が見えた。
部屋にはテレビがあって、勝手にNがスイッチを入れてチャンネルを変えたりしていた。

⏰:10/03/01 17:25 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#512 [(・´ω`・)]
俺はオッサンの事をその雰囲気から知的障害者だと思っていた。
それはNも同じで、後日
「あのオッサンは、知的障害者だよな。」
と言っていた。
オッサンは
「ビデオがあるから、見よう。」
と言い出した。
Nからリモコンを受け取ると、画面を切り替えた。
テープは予めセットしていたらしく、すぐに再生された。
それはかなり古いビデオで、内容は東京オリンピックにまつわるドキュメンタリーだった。
会場の建設風景や土地の区画整理、交通網の見直し作業などの様子をナレーションが説明していた。
昔の事だから、そのビデオの断片しか覚えていない所が多い。
ただ、競技やその結果も盛り込んだ内容だった。
だからオリンピック終了後、数年してから当時を振り返る形のドキュメンタリーだったのではないかと思う。
しかし、それであってもそれが古いビデオであるのは、ナレーションの語り口からしても間違いないと思う。
最初、そのナレーションは普通の男性の声だった。
二十分くらい経つと音が飛んで暗転し、暫くして画面が正常に戻った。
するとナレーションが子供の声になっていた。
後から無理やり加工したものだとすぐに分かった。
子供の声も素人臭かった。

⏰:10/03/01 17:26 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#513 [(・´ω`・)]
「これ、オッチャンの子の声。」
そうオッサンが嬉しそうに俺やNを見て言う。
「へ〜。」
とか
「そうなんだ。」
とか、俺達は当たり障りのない返事をした。
しかし、この古いドキュメンタリーを編集して自分の息子の声に変えるという無意味さと、その気色の悪さに鳥肌が立った。
Nも弟のTもそう思ったのか、オッサンに話しかけられた顔が引きつっていた。
なおもビデオは続き、結局一時間半くらい見ていたと思う。
おっさんはビデオを熱心に見ているフリをしている俺達の顔を、終始満足気に眺めていた。
もう辺りも暗くなったという事で
「親が心配している。」
などと言って、半ば逃げるように帰った。
帰り道
「もう、あの公園には行けないかもなぁ。」
と話した。
数日後事件が起きた。
Nが夜の八時を過ぎても帰って来ないと言うのだ。
Nの母から
「心当たりはないか?」
と聞かれ、真っ先にあの公園とオッサンが浮かんだが、あれ以来俺もNも公園には近づいていない。
その証拠に失踪当日NはTと二人で近くの池にザリガニ釣りに行き、Tに
「先に帰れ。」
と言ったきり、行方不明になったらしい。

⏰:10/03/01 17:28 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#514 [七氏]
うんうん。続き貼りお願いします

⏰:10/03/01 17:34 📱:P905i 🆔:sYLJG4mI


#515 [(・´ω`・)]
普通に考えれば水難事故だが、その池は天気次第ですぐに干上がるような水溜り程度の池だった。
当日もやはり、膝下以下の水位しかなかったと言う。
即日、池浚いが行われたがやはり何も見つからなかった。
俺は
「絶対にあのオッサンが関係している。」
と思ったが、大人達には言い出せなかった。
「もし関係がなかったら、あのオッサンは知的障害者だから差別だなんだと大問題になる…。」
なんて事を考えたからだ。
N失踪の次の日。
意を決して、オッサンの家に向かった。
あまりの緊張の為、どういう経緯でオッサンの家に上がれたか、実の所よく覚えていない。
しかし、とにかくオッサンの家に着いた俺は、目論んだ通り家に入る事に成功した。
そして予想はしていたが、やはり
「ビデオを見よう。」
と言う。
満面の笑みでリモコンをいじっているオッサンに
「Nは来てない?」
とさり気なさを装って聞いた。
「前、一緒に来てたヤツなんだけど。」
「知らない、来てない。」
オッサンは心底無関心な顔で答え、画面が切り替わると、パッと笑顔になった。
そして
「お待ちかねのものが、始まったぞ。」
と、ばかりに画面を指差す。

⏰:10/03/01 17:54 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#516 [(・´ω`・)]
やはり、前回と同じ薄気味悪いドキュメンタリーが始まった。
「またあの子供のナレーションを聞くのは憂鬱だなぁ…。」
と思いながら、ビデオを見ていた。
そして前回と同じ所で、音が飛んだ。
画面が潰れ、暗転。
「そろそろ、ナレーションが切り替わる。」
と身構えていたにも関わらず、心臓が飛び出るかと思った。
この前見た時の子供のナレーションが


Nの声に変わっていたのだ。

⏰:10/03/01 17:56 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#517 [(・´ω`・)]
なんかまだ続くけどいいですかね?
予想外に長かったこれ(*_*)

⏰:10/03/01 18:00 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#518 [七氏]
気になる!気になる!

⏰:10/03/01 18:03 📱:D905i 🆔:9vTSJTPs


#519 [(・´ω`・)]
意味不明の出来事に、パニックになった。
Nの声が、少し震えているようだったのが忘れられない。
とにかく早く逃げようと、震える腰を浮かした俺にオッサンが嬉しそうな顔で
「これ、オッチャンの子。」
と言うのだ。
もう俺は限界を超え、小便を垂れ流しながら玄関まで走った。
走って自転車に飛び乗って、立ち漕ぎで逃げた。
しかし最短距離で家に向かわず、迂回して家を目指した。
恐怖で混乱しつつも
「あの男に家がバレるのはマズイ。」
と思ったからだったかも知れない。
家に着くと即、母親に事の顛末を話した。
しかし、いまいち懐疑的な顔をする母親。
仕方ないからNの家に電話した所、Nの母がうちに飛んできた。
公園でオッサンに話しかけられ家に行った事。
家でビデオを見せられた事。
そのビデオのナレーションが、オッサンの子供であるらしい事。
そして今日見せられたビデオのナレーションが、Nの声に上書きされていた事。
Nの声を聞いて、オッサンが「自分の息子」と言った事。
全てを説明し
「Nはあの家にいたかも知れない!」
と涙ながらに訴えた。
Nの母も興奮状態で泣きながら聞いてくれた。

⏰:10/03/01 18:22 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


#520 [(・´ω`・)]
俺の母が受話器を取り
「とりあえず、うちの人に電話してみる。」
と言い出した。
するとNの母が
「先に警察に電話して!」
と泣きながら叫んだ。
躊躇する母から子機を奪い、俺に
「今の話、ホントやね?」
と念を押し、俺が頷くのを見て110番通報した。
ただ興奮状態だった為、Nの母は俺の家じゃなくNの家の住所を警察に告げてしまった。
仕方なく、とりあえず三人でN家に移動する事になった。
母は
「やっぱり、お父さんに連絡する。」
と言って、俺達に先に行くように言い、家に戻った。
途中Nの母は「チッ」と舌打ちし
「捜査員のEさんにも電話しなきゃ。」
と、一人呟いていた。
パトカーがやって来て、その中で話を聞かれた。
しかし結局俺とNの母、遅れて来た母と三人、警察署に連れて行かれ繰り返し話をする事になった。
その日、警察署から解放され、家に帰って今日あった事を父に説明した。
すると父が言うには
「あそこは部落だ。」
という事だった。
ただ、他の部落と違ってある意味保守的で、独自の組合である互助会を作っているそうだ。
昔はよく、近隣の集落と揉め事を起こしていたと言う。

⏰:10/03/01 18:24 📱:SH001 🆔:6XMgYWU2


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