あの日から、ずっと…
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#51 [七氏]
俺は通勤電車の中にいた。

―この景色、以前どこかで…

掠れたような、寂れたような、薄く霧がかった風景。微かに臭う鉄と何かの腐敗臭。異様な乗客。

俺は気付いてしまった。

これは、あの夢だ…

⏰:08/12/12 13:13 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#52 [七氏]
何故またこの夢を?
ただの夢で終わるのか?

いろんな思いが頭を巡る。

そして悲劇は始まった。


「貴方は…ですか?」

⏰:08/12/12 13:15 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#53 [七氏]
血の気が引くのを感じた。
何故こんなにもリアルなんだ?

この前のように機械的な声と共にひとりの女性が震えはじめた。

辺りをよく見まわすと老婆はもういなかった。

⏰:08/12/12 13:18 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#54 [七氏]
そして決まっているかのように事は進んでいく。

「貴方も地獄行きいいぃいい」

狂ったように笑いながら、さも楽しそうに響く男の声。

機械特有の低く粘着のある声は、忘れられるはずなかった。

⏰:08/12/12 13:21 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#55 [七氏]
そこで先程震えていた女性が泣きはじめ、悲願し始めた。

「いやだああぁあ!!」

…なんだ?
この声どこかで…

嫌な予感がした。

⏰:08/12/12 13:23 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#56 [七氏]
頭が真っ白になったのは、これが初めてだった。

あれは…姉貴?

少し距離があってよく見えないが、それは確実に姉貴だった。

助けたいのに体が動かない。
呼びたいのに声がでない。

俺は無力だ。

⏰:08/12/12 13:27 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#57 [七氏]
微かに出た声。

「姉貴…」

それは弱くて小さくて、情けなくなる程震えた声だった。

切り刻まれる瞬間、姉貴と目が合った。

「生きて、」

涙を流して消えた姉貴。


「貴方は…ですか?」

⏰:08/12/12 13:30 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#58 [七氏]
目が覚めると涙が出ていた。
嫌な汗が尋常じゃないほど体を濡らしていた。

少し呆然としたあと、思い出して急いで姉貴の部屋へ走った。

どうか、生きていてくれ―

⏰:08/12/12 13:33 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#59 [七氏]
「姉貴!!」

半ば叫ぶように呼び、勢いよくドアを開けると姉貴が寝ていた。

「なーに?こんな夜中に。」

姉貴は生きていた。

俺は安堵しそこで泣き崩れた。

⏰:08/12/12 13:36 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#60 [七氏]
姉貴に笑いながら馬鹿にされた。いつまでも子供だなあって、そう言いながら背中を叩かれた。

いつもの姉貴だ。
あれはただの夢だった。

俺は照れ笑いしながらいつもは言わない「おやすみ」を言った。

姉貴からの「おやすみ」を背中で聞いて再度眠りについた。

⏰:08/12/12 13:40 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#61 [七氏]
んで起きたら姉貴死んでたオチだろ

⏰:08/12/12 13:45 📱:W61P 🆔:enzdycZg


#62 [七氏]
翌日、目覚めると姉貴がリビングで身支度をしているとこだった。

「今日は彼氏とデートなの。」

笑いながら悪戯っぽく
「あんたも早く彼女つくりなよ」
と言って家を出て行った。

「余計なお世話だ馬鹿。」

俺も笑いながら見送った。

家族が大切だと気付けた。

⏰:08/12/12 13:45 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#63 [七氏]
家族を大切にしよう、あの夢で気付けた。感謝しなきゃな。

なんてことを思いながら俺は再度眠りについた。


―けたたましい電話の音で目が覚めた。

⏰:08/12/12 13:47 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#64 [七氏]
心地よい眠りについていた俺は苛立ちながら電話まで向かった。

なにげなく受話器を握った瞬間、鳥肌がたった。

嫌な予感がする―

⏰:08/12/12 13:48 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#65 [七氏]
予感は当たった。

姉貴は交通事故にあった。
いや、正確には自殺。

ホームから通勤ラッシュの電車に飛び込んだらしい。家を出てから1時間ほど経った時だった。

余りにも原形を留めていなかったので住所を突き止めるのに時間を要したらしい。

⏰:08/12/12 13:52 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#66 [七氏]
受話器が手から落ちて、ただ呆然と立ち尽くすだけだった。

自殺なんて有り得ない。
あんなに幸せそうに毎日を送っていたじゃないか。恋人にも友達にも恵まれて、充実していたはずなのに…なぜ自殺を?

次に記憶にあるのは親父が電話する後ろ姿だった。

⏰:08/12/12 13:55 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#67 [七氏]
「…わかりました。今からそちらに向かいます。」

電話を切ると同時に
「行くぞ、最後だからな。」

そう言った親父の背中と声は微かに震えていた。

⏰:08/12/12 13:58 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#68 [七氏]
そこからは本当に記憶が薄い。

ただ、遺体は見せてもらえなかった。原形を留めていないので、見ないほうがいいと言われた。

親父は姉貴だったものに
「すまなかった、ありがとう」
と手を合わせて言っていた。

⏰:08/12/12 14:00 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#69 [七氏]
姉貴は煙となって空に消えた。

おばあちゃんの失踪から調度半年が経った頃だった。

⏰:08/12/12 14:02 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#70 [七氏]
その頃から俺は軽くノイローゼのような症状に陥っていた。

親父はいつもと変わらない。
そんな親父に苛立ちを覚えた。

ある日、俺は言ってしまった。
「なんで、あんたはそんなに普通でいられるんだ?姉貴もおばあちゃんもいなくなったんだぞ?」

⏰:08/12/12 14:05 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#71 [七氏]
親父は表情を変えず
「だからどうした?」

俺は何かが切れた気がした。

「お前が殺ったんだろ!!この人殺し!!…母さんだってお前が殺したんだっ!!」

母さん、そう言った瞬間親父の顔が変わった。

⏰:08/12/12 14:09 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#72 [七氏]
「じゃあお前に何ができる!?生き返らせることができるのか?しかたないんだよ。みんな決まっていたことなんだ…」

俺は何も言えなくなった。
言ったことを後悔した。

なんで母さんのことを口にしてしまったんだろう…

⏰:08/12/12 14:12 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#73 [七氏]
俺の母さんは、俺が産まれてすぐに亡くなってしまっていた。
死因は俺にも当時まだ3歳だった姉にも聞かされていなかった。

小さな頃一度だけ、
「母さんはなんで死んだの?」
と姉貴と聞いたことがある。

その時親父は悲しそうに
「決まっていたことなんだよ」
と言ったのを覚えている。

⏰:08/12/12 14:16 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#74 [七氏]
それから暗黙の了解というか、母さんに関わる話はしなかった。
してはいけない気がした。


しかし、今はそんなことを言っていられない。

過去を知る必要があるはずだ。

⏰:08/12/12 14:18 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#75 [七氏]
「親父、過去のことを教えてくれ。これ以上隠すのはやめてろよ。俺は過去を知りたい。」

俺は親父の目を見て今の想いをしっかりと伝えた。

親父は目をつむって暫く黙っていたが、ゆっくりと話しはじめた。

「信じるかどうかは、お前次第だからな。俺は真実しか話さない。」

⏰:08/12/12 14:22 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#76 [七氏]
親父から聞いた話は俺にとって物凄く衝撃的だった。

「…嘘だろ?」

嫌な汗が頬を伝う。

「嘘だと思うだろう?残念だけどなぁ全部本当なんだよ。」

親父は無理に笑ってみせた。

⏰:08/12/12 14:25 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#77 [七氏]
親父の話はこんな感じだった。


小さい頃から不思議な力(霊感とは少し違う)をもっていた親父はたまに未来が見えたりしていたそうだ。勘も鋭く、賭け事には必ず勝っていた。

未来が見える。一見いい響きのこの言葉だが、実際は残酷だった。

⏰:08/12/12 14:29 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#78 [七氏]
この能力のデメリットは“変えられない”ことだった。

見えた未来は幾度挑戦してみても変えられなかった。

仲のよい友達の死や招かれる大きな事故も、一度として防ぐことはできなかった。

⏰:08/12/12 14:33 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#79 [七氏]
本人に言ったところで、不吉なことを言うなと言われ、当人が亡くなれば周りからはお前が殺った、お前のせいだと罵られた。

大きな事故の場合は余計だ。
下手したら自分がテロだと間違われ兼ねない。

大人になるにつれて親父は“見えても”言わなくなった。

⏰:08/12/12 14:37 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#80 [七氏]
そうして関わらないことによって見えているのに助けられない罪悪感から逃れてきた。

そして、母さんと出会った。

会った瞬間、母さんの結末(オワリ)が見えてしまったらしい。

親父はやはり関わらなかった。

その頃は逃げることに慣れてうまくなっていたらしい。

⏰:08/12/12 14:41 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#81 [七氏]
すまない、少し空けるが俺はまだ無事だ、待っていてくれる奴がいるのなら待っていてくれ。

⏰:08/12/12 14:42 📱:SH906i 🆔:OVMyvRK2


#82 [七氏]
なんか…
無事を祈るぞ

⏰:08/12/12 14:46 📱:N906imyu 🆔:RNrVTIWI


#83 [七氏]
無事でいて

⏰:08/12/12 17:39 📱:W52H 🆔:FU18V20g


#84 [七氏]
無事いのってます…

⏰:08/12/12 17:54 📱:N904i 🆔:Rd0KcZ2Q


#85 [ゆぅ(*-ω-`)]
無事でいて!

⏰:08/12/12 18:35 📱:P903i 🆔:vSghiGXI


#86 [TMK]
おまいは死なない
気がするぞ((゚д゚))
怖いだろうけん
みながついてるからな

⏰:08/12/12 23:58 📱:D705i 🆔:1b7eAG0U


#87 [七氏]
思い切って親父に自分の未来とやらを聞いてみればいいじゃないか

⏰:08/12/13 00:28 📱:SO903i 🆔:SPDyS3lQ


#88 [七氏]
釣りじゃないなら生きてください><

⏰:08/12/13 01:32 📱:INFOBAR2 🆔:SxPj1LoU


#89 [七氏]
私も近い未来に
事故にあいます。

車にひかれます。

でもあたしはそうなるまで信じたくないです。

主さん、
がんばって!

⏰:08/12/13 02:31 📱:N703iD 🆔:yxsygC/6


#90 [七氏]
文調が小説っぽいな

⏰:08/12/13 03:22 📱:W53T 🆔:4itZ.wFc


#91 [お花レンジャー269日目◆OHANA.1KCI]
(´゚ω゚`)

⏰:08/12/13 08:15 📱:SO903i 🆔:HdP2pCkk


#92 [七氏]
みんな待っていてくれてありがとう、みんながここに居てくれるだけで凄く心強いよ。
今からまた書いていく。

⏰:08/12/13 17:32 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


#93 [七氏]
親友の彼女だった母さん。

関わることもないと思っていたが思いの外、遊ぶ機会も多く話も合ってしまい少しずつだが情が湧いてきてしまったらしい。

その気持ちはいつの間にか愛に変わっていた。

⏰:08/12/13 17:35 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


#94 [七氏]
えww

まさかのネタ?ww

⏰:08/12/13 17:37 📱:F905i 🆔:GE.bjQP2


#95 [七氏]
親父は、唯一親父の能力を理解していた親友に嫌われることを覚悟して正直に話したそうだ。

「あの人は長くない、だからこそ始めは関わりたくなかった。でも今は違うんだ。俺はあの人のことを最後まで幸せにしたいと思いはじめたんだ。だから…」
(親父談だが確かこんな感じで言ってた)

⏰:08/12/13 17:39 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


#96 [七氏]
>>94
そう思われてもしかたないと思うが本当のことだ。

⏰:08/12/13 17:40 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


#97 [七氏]
続き気になる(`.ω.´)

⏰:08/12/13 17:43 📱:INFOBAR2 🆔:SxPj1LoU


#98 [七氏]
そこで息詰まると親友は笑って

「お前が“見えない”人に関わっていくなんて、あいつは相当愛されてるんだな(笑)…本当に幸せにする自信はあるのか?…関わって本当に後悔はしないか?」

最後は真剣に聞いてきた。

親父は迷わず頷いた―

⏰:08/12/13 17:44 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


#99 [七氏]
それからいろいろ(親父いわく大人の事情w)あってめでたく母さんと親父は付き合い結婚した。

本当に毎日が幸せだった。

この日々に終わりがくるなんて思えないくらいに。

もう終わりは目の前にきていた。

⏰:08/12/13 17:47 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


#100 [七氏]
姉貴が産まれて約3年後(俺は若干1歳)、母さんは死んだ。

買い物の帰り道だった。
まだ20歳前半だった母さんは美人で一際笑顔の綺麗な人だった。

母さんは婦女暴行されたあと、自ら命を断った。

⏰:08/12/13 17:51 📱:SH906i 🆔:PNHWTaHs


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