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#155 [七氏]
そして俺はある事を思いついた。
終業式の日に俺がタッチして逃げれば学校が始まるまであいつはずっと
鬼になるのだから、もの凄く悔しがるに違いないと思ったのだ。

もちろんSは俺の住んでいるところを知らないし。教えてくれる友達もいない。

あいかわらずSは俺から逃げ回っていたが、タッチされた時の悔しがるさまが想像できて
逆に笑えるようになって来た。

そして、とうとう終業式の日がやってきた。俺はSが運動靴に履き替える為に上履きを脱いだ時に
タッチして逃げると言う作戦を立てていた。

終業式が終わり帰りの会も終わった。俺はSを相手にしていないふりをしてそそくさと教室をでた。

Sは馬鹿なので学校で使う道具をこまめに持って帰っていなかったので、Sの机だけ荷物が
凄いことになっていた。俺は逃げやすいように手ぶらで済むようにしていた。

⏰:10/08/12 03:59 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#156 [七氏]
俺は運動靴をはいて、隠れてSが来るのをワクワクしながら待った。
30分くらいして、パンパンのランドセルを背負ったSが、荷物をひきずりながら歩いてきた。

Sが上履きを脱いだ。俺はその瞬間うしろからSの頭をおもいっきりはたいて、『タッチーw』と
憎々しい声で言ってその場から全速力で逃げた。
Sは想像以上のもの凄い反応をした『ををぉーおー』ともの凄い大声で叫んだのだ。

俺は笑いながら走った。必死で悔しがりながら走ってくるSを見てやろうとふり返った。

この時はあの大荷物じゃ走って追いかけてきてないかもしれねーつまんねーのなどと思っていた。

しかしSは靴下のまま、荷物もほっぽり出して俺を追いかけてきていた。Sの必死さに俺は大笑いしながら走った。Sは『殺す!』『呪う!』『待て!』を

もの凄い声で叫んでいた。最後のほうは喉が変になっているのに無理やり出しているような声だった。

俺は家に帰ってからも笑いが止まらなかった。あーせいせいしたと心から思った

⏰:10/08/12 04:01 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#157 [七氏]
夕方頃、家でテレビを見ていると、『をおうー』という人間とはおもえないような声が聞こえた。
Sが殺すといっている声だと直感的に感じ冷や汗がでてきた。

あいつ、まだ探してるのかよ・・俺・みつかったらどうなるんだよ・・と

その日の夜、家に緊急電話連絡網が、回って来た。
Sが死んだからだ。
トラックに跳ねられたらしい・・

後で知った事だが信号を無視して道路に飛び出してきたらしい
そして靴を履いておらず足の裏と喉がズタズタだったそうだ。
そして、Sが事故にあった時間は丁度おれがあの声を聞いた時間だった。
Sが大荷物で教室から出てくるのが遅いせいか、俺が関っている事は誰にもばれなかった

もしかしたら死ぬ直前まで、Sは叫びながら走り続けていたのかもしれない・・
あの不気味な声だけで終わればどんなに幸せだった事か・・

⏰:10/08/12 04:03 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#158 [七氏]
その夜、Sが死んだ日に聞いたあの声が聞こえてきた。

今度は追いかけられる番なのかもしれないと思った。


それからというもの、俺は毎日イスに座って過ごしている。
イスに座っていれば安全かもしれないと思っているからだ。

今はまるであの時のSのマネをしているような生活をしている。
イスに座って寝ている様など、授業中に寝ていたSそのものだ。 今ではSのように他人が突然追いかけてくるようにおもえて近づくことができない

また半径5m以内に近づけないゲームをやることになるとは、何と言う皮肉だろう。

⏰:10/08/12 04:04 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#159 [七氏]
「ある葬儀屋の話」

ある小さな町でAという身の丈190cmの大男が死んだ。彼は乱暴で粗雑、しかも何ごとも根に持ち
ささいな子供のいたずらにも酷い仕返しをするので皆から嫌われていた。

彼を変人呼ばわりした近所の小学生を捕まえ、顔が紫色に腫れ上がるまで平手で打ち付け暴行罪で逮捕された経歴まである。

身寄りもおらず、日雇いの汚い仕事で稼いでは酒を飲んでいたので、肝臓でもやられたのだろう。

町で唯一の葬儀店Bの店主もこの男が大嫌いだったが
役場からのたっての頼みでしぶしぶ安い葬式をあげることになった。

適当に死体を洗い、一番安い棺桶に押し込め、売れない坊主を無理矢理説得してお経をあげさせた。

異変が起きたのは葬儀が終わり棺桶を火葬場に運ぶときだった。
他に葬儀が重なってしまったせいもあり、霊きゅう車が手配できなかった店主は
軽トラックの荷台に積んでAの亡骸を運ぶことにした。

それほど遠い距離ではなかったが、大事をとって店主自らが荷台で棺桶が落ちないよう見張ることになった。

⏰:10/08/12 04:12 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#160 [七氏]
特に坂道や悪路もなく店主が荷台に乗ったのはあくまでも念のためだった。
が、しばらく行くと石でも踏んだのか急に棺桶が大きく揺らぎ、 店主は荷台の外枠と棺に足を強く挟まれた。

すぐに病院に運ばれたが、店主はスネから下を酷く複雑骨折しており
仕方なく切断することとなった。

しばらくして、「葬儀店Bの店主は自業自得だ」という声が町に出始める。
坊主がこんな事実を暴露したためだ。


あいつはAのサイズに合う棺桶を作るコストをケチって、
普通のサイズの棺桶に無理やりAの亡骸を納めたんだよ。

どうやったかって?
もちろんスネから下をノコギリで切断したのさ。

⏰:10/08/12 04:13 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#161 [七氏]
「喪失」

ある日から変な夢を見始めたんです。
ノコギリを持った男に追い掛け回されて最後は腕を切られちゃうっていう。

何故か夢の中だと進もうと思っても前に進めず、壁を登ろうにも壁に手が引っかかり
登れませんでした。
切り落とされたところでハッと目が覚めて腕を確認。ちゃんとついてる。

夢だったんだとわかった時は心底ホッとしました。

それくらい生生しい夢だったから。
もうあんな夢見たくないなぁと思いながらその日は憂鬱な気分に苛まれてました。

でも次の日もまた夢であの男に追い掛け回されたんですよ。
今度は反対の腕をガリガリガリガリ切られました。
噴き出す血とか物凄くて、夢の中で何度も何度も叫びました。

夢だからか痛みは無いんですけど、そのリアルさで気が狂いそうでした。

⏰:10/08/12 04:26 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#162 [七氏]
夢の中の僕はこれで両腕が無くなったわけです。でも不思議と喪失感はありません
でした。

その次の日からは脚でした。

腕の時同様、付け根辺りからノコギリでゴリゴリガリガリ、切り落とされます。

やっぱり夢の中では抵抗どころか動く事も満足に出来ず、されるがままでした。
もうこんな夢は見たくないと強く願ったんですけど、その翌日まで夢は続きました。

残った一本の脚を男は躊躇無く僕の体から分離させました。
もう体には腕も脚もない。ダルマのような状態になってしまいました。

でもやっぱり喪失感はありませんでした。
そこでやっと夢が醒めたんです。ホント変な夢だったなぁって思います。
長い夢だなぁとも思いました。

だって僕は生まれた時から両腕も両脚も無かったんですから。その日からもうそんな夢は見なくなりました。

⏰:10/08/12 04:27 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#163 [七氏]
「怖いmixi」

友人から聞いた実話。
mixiって知ってるよね?
中には何百人もマイミク作っている人もいるかも知れない。

実際に体験したのは友人のマイミクなんだけど、
そのマイミク氏(以下X氏)もミクシィを毎日のように活用して徐々に友達を増やしていった。
ある日、X氏のマイミクの一人が突然、失踪したらしい。
そのマイミク(以下Y氏)は職場に行くと告げたきり、誰にも言わず失踪した。

それをX氏が知ったのは一週間後。
ただし間接的に聞いただけだったし、さして仲がよかった訳でもない。
彼のトップページを覗いてももちろん更新されていないし、

Y氏について話題にする者も特にいなかったので、
X氏はいつしか失踪のことは忘れていた。

そんな、ある日。

mixiでY氏の日記が更新されていた。

⏰:10/08/12 04:45 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


#164 [七氏]
X氏は彼が帰還したのだと思い、暇つぶしにY氏の日記を閲覧する。

他愛のない内容だが、日記だからそんなものだろうと思っていた。
マイミクが数人程度のY氏にコメントをつける者もいない。

失踪以前と変わったといえば、日記をほぼ毎日つけるようになった事だ。


一ヵ月後、X氏が何気に新聞を開く。
お悔やみ欄にはY氏の名前が記入されていた。
まだ三十代前半。珍しい名前なので間違いないという。

X氏は慌ててmixiにアクセスしたら、
なんと死んだはずのY氏の日記が更新されていた。
タイトルは「まぬけ」
X氏は戦慄した。コイツは一体誰なんだ?
あまりに怖くてX氏はそのままmixiを退会したのだと言う。

友人はX氏の突然の退会を不審に思って、
彼のケータイに電話して、この話を聞いたらしい。

⏰:10/08/12 04:47 📱:W56T 🆔:hLmSbAeo


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