怖い話総合
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#146 [七氏]
【続き】
電車がきた。乗り込もうとすると、すでに乗って降りようとするオバサンに突き飛ばされた。
頭は打たなかったけど、尻餅はついた。普段ならよろめくくらいの軽いぶつかりなのに、全く踏ん張れなかった。
突然オバサンは怒鳴り込んだ。
「乗るんじゃないっ!」
「乗らなきゃいけないのよ。面接に行くんだから…」
「乗ったらアンタ死ぬよ!」
駅員が来て、話してる最中、電車は走っていった。
「あ…」
走りすぎる電車を見送り、見えなくなった。
すると、さっきまでの体の疲れが嘘のようになくなった。もしかしたら行かないほうがいいのかもしれない。
オバサンが言った。
「さっきは突き飛ばしてごめんなさい。アンタ死にかけなくらい生気なかったから危なかったわ。」
そう言えば、電話を切った途端に“おかしい”って感じてた。
やっぱり断ろう。
家に帰る途中で公衆電話があるので、そこから旅館に電話した。
:10/08/12 03:22
:W56T
:hLmSbAeo
#147 [七氏]
【続き】
「…おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめのうえ…」
え? そんなはずはない! かけ間違えたのかと、慎重に番号を見ながらもう一度かけると結果は同じだった。
「お客様がおかけになった電話番号は…」
電話を切ると、その場に座り込んでしまった。
「…いったい、どういう事? どうなってんの? あ、そーだ! 携帯に録音してたんだった!」
聞き間違えてはいけないと思い、念のために携帯電話に録音していた。調べて聞いた。
『…ガガガ…』
あれ? リセットしてまた聞いた。
『はい、ありがとうございます。A旅館です』
『もしもし。立花と申します。求人見て電話したのですが』
『ちょっとお待ちください…ガ…イガ…ガガ…ガ…』
『もしもし。A旅館です。いつから来れますか?』
『明日には行けます』
『明日から来てください。何時になってもいいから必ず来てください。名前は?』
『立花です』
『立花さんだね。お待ちしてます』
特に変わった所はないけど、もう一度聞いた。
『はい、ありがとうございます。A旅館です』
『もしもし。立花と申します。求人見て電話したのですが』
:10/08/12 03:24
:W56T
:hLmSbAeo
#148 [七氏]
【続き】
『ちょっとお待ちください。……、さびしいよ…暗いよ…一緒においで…』
『もしもし。A旅館です。いつから来れますか?』
『明日には行けます』
『明日から来てください。何時になってもいいから必ず来てください。名前は?』
『立花です』
『立花さんだね。ずーっとお待ちしてます』
2回目を聞いたらゾクッとした。1回目に入ってなかった声が入っていたから。
朝かかってきた電話の録音も聞いてみる事にした。
『死ね苦しめ死ね苦しめ死ね苦しめ死ね苦しめ』
『あ…はい。大丈夫です』
『死ね苦しめ死ね苦しめ死ね苦しめ死ね苦しめ』
『あ…大丈夫です。』
『死ね苦しめ死ね苦しめ死ね苦しめ』
「いやーっ!」
思わず耳をふさいで携帯電話を投げつけた。かなり丈夫な携帯電話は傷がついた。
カバンから求人雑誌を取り出して募集広告を見ると、旅館は上が完全に崩れ、ガレキの山だった。
とても営業が出来るとは思えないくらい、崩れた建物にツタが巻き付いていた。
:10/08/12 03:28
:W56T
:hLmSbAeo
#149 [七氏]
【続き】
最初見たのと違う写真に変わってたから、思わず求人雑誌を公園のゴミ箱に捨てた。
これで終わったと思ってた。
いまだに旅館から電話がかかってきていた。
まだ電話に出ていない。もし、電話に出てしまったら…今度こそ連れて行かれるかもしれない。
携帯電話番号も変更したのに、今でもかかってくる…。
終わり
:10/08/12 03:29
:W56T
:hLmSbAeo
#150 [七氏]
「終わらない鬼ごっこ」
これは俺が小学校6年の時に、同じクラスのSって言う奴との間に起こった出来事です。
コイツはいつも挙動不審でわけのわからない奴だった。
授業中はいつも寝ていて
給食だけ食べていつも帰っているだけという感じだった。
もちろんクラスでは馬鹿にされていたし俺も馬鹿にしていた。
今にして思えば軽い知的障害があったのかもしれない
小学校の3年か4年の頃も一緒のクラスで、このSも含めて数人で鬼ごっこをやった事がいちどあった
チャイムがなった後にイスに座ったら終了と言うルールだった。
つまりチャイムがなった後に、鬼を残して全員が席についたら鬼が負けという事だ。
最初は俺がじゃんけんに負けて鬼になった。Sは一人だけトボトボ歩いていたのですぐにSにタッチした。
:10/08/12 03:47
:W56T
:hLmSbAeo
#151 [七氏]
Sは鬼になっても走らないでトボトボ歩いていた。チャイムがなってもそれは変わらなかった。
チャイムがなるとみんないっせいに教室に向かい自分の席に着いた。S以外は全員自分の席についた。
『あいつ追いかけてこないからつまんねーな』『あいつなんなんだよ』
などとみんなでSの文句をいっていた。そしてまもなくしてSは教室に入って来た。
そしてなぜか泣いているふうに見えた。Sはイスに座っている俺にまっすぐ向かってきた。
そしてあろうことか俺に殴りかかってきた。どうやらイスから無理やり立たせようとしてきたのだった。
それとほぼ同時に担任が教室に入って来たのでそのまま喧嘩にもならないまま終わってしまった。
:10/08/12 03:48
:W56T
:hLmSbAeo
#152 [七氏]
Sのやった行動はクラスの奴が全員みていたのでSと遊ぶ奴はもちろん、話す奴もいなくなってしまった。
そしてSの半径5m以内に近づかないゲームというのがクラスで流行りだした。
これはSと同じクラスの間中ずっと続いた。
・・そういえばSが授業中に寝るようになったのもこの頃からだったような気がする。
小学校6年の7月くらいに席替えでSと同じ班になった。
これは狭い会議室を一緒に掃除する事を意味していた。
さすがに近づかないゲームは終わっていたが関わりたくなかった。
この会議室は先生が見ていない場所なので、だれも真面目に掃除をするものがいないところだった。
俺は手のひらの上にホウキを乗せてバランスをとって遊んでいた。
他のやつらも適当にホウキを振り回して時間を潰していた。Sだけが糞真面目に掃除していた。
:10/08/12 03:50
:W56T
:hLmSbAeo
#153 [七氏]
掃除の終わりを告げるチャイムが鳴った。
みんなそれと同時にホウキを掃除箱に放り込んで逃げるように会議室をでていった。
俺はほうきでバランスを取る遊びの途中だったので、
バランスを崩して終わったらホウキをしまおうと思っていた。
俺はバランスを崩しゲームが終わった時
会議室にSと二人きりということに気づいたので、すぐにほうきをしまって教室から出ようと思った。
そして同時にしまったと思った。Sが掃除箱の前で仁王立ちしているのだった。
今思えばホウキをその辺にほっぽり出して教室から出ればよかったのだが。
ホウキが出ていると怒られると思ったので、
Sに言った『そこ邪魔だからどけよ・・』
Sは言った『あの時タッチされてない』
そういうと猛ダッシュでSは俺から逃げていった。
:10/08/12 03:54
:W56T
:hLmSbAeo
#154 [七氏]
教室に帰ってからもSは追いかけてもいないのに俺から勝手に逃げ回っていた。
自分のイスに座るとSはニヤニヤして勝ち誇った顔で俺を見てきた。
あの時の続きをやっているのだろうか??
そしてこれは、この日から毎日続いた。
最初は呆れていたし相手にしていなかったが、まえに突然殴られたときやり返していなかった事なども
あってか、凄くムカつくようになった。
しかし、タッチでもしようものならこの馬鹿と鬼ごっこをすることになると思ったのでこらえた。
相手にしなければ勝手に止めると思っていたが、Sの行動はエスカレートしていった。
トイレに行くのにもイスに座ったまま引きずりながら行くようになったのだ。
そして勝ち誇った顔で俺を見てきた。俺はSがムカついてしょうがなくなっていた
:10/08/12 03:56
:W56T
:hLmSbAeo
#155 [七氏]
そして俺はある事を思いついた。
終業式の日に俺がタッチして逃げれば学校が始まるまであいつはずっと
鬼になるのだから、もの凄く悔しがるに違いないと思ったのだ。
もちろんSは俺の住んでいるところを知らないし。教えてくれる友達もいない。
あいかわらずSは俺から逃げ回っていたが、タッチされた時の悔しがるさまが想像できて
逆に笑えるようになって来た。
そして、とうとう終業式の日がやってきた。俺はSが運動靴に履き替える為に上履きを脱いだ時に
タッチして逃げると言う作戦を立てていた。
終業式が終わり帰りの会も終わった。俺はSを相手にしていないふりをしてそそくさと教室をでた。
Sは馬鹿なので学校で使う道具をこまめに持って帰っていなかったので、Sの机だけ荷物が
凄いことになっていた。俺は逃げやすいように手ぶらで済むようにしていた。
:10/08/12 03:59
:W56T
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