うたた寝に

私に課せられて居たけれど手が回らなくて取り掛かれて居なかった作業があって。漸く取り掛かったけれど面倒臭くなってぼやいたら、先生が手伝って下さったわ。先生もやりたい事があったのに。本当、斯う云う所、面倒見が良くて優しいわよね。でも今日だけでは終わらなくて、そうしたら先生が続きはまた別日にしようかと仰って、日程も設定して下さって。先生のメモに「みつと入力」と記入されて居て、何故だか笑ってしまった。申し訳ないやら嬉しいやらと云う感情。勿論私の作業を手伝って頂いて居るのだから申し訳ないのだけれど。

それで。帰途のタイミングが被ってしまって、先生と別れる所まで一緒に帰ったわ。一緒に帰って居ても、前程は緊張しなくなったなぁ、と思ったり。良くも悪くも、一緒に居る事に慣れて来たのね。

何だか無性に疲れたわ。

何もしたくない、誰にも会いたくないし誰とも話したくない。

今日も先生と一緒に部屋を出て、ロッカーで少し話して、先にお暇したのだけれど。歩いて居たら、後ろから手を叩くパンッと云う音がして、吃驚して振り返ったら先生がいらっしゃって。「髪型でみつかなーと分かったわ。歩くの遅いなー」と仰って、其処から一緒に帰ったわ。先生の御家庭の話を色々聞いたわね。娘さんの偏食の事とか成長が遅めな事とか、家族一緒に寝て居る事とか。仲が宜しいんですね、と言ったら「仲良くは無いけどなー」と返されたけれど、まぁでも少なくとも私の居た環境よりは良いのだろうなぁと思ったり。

前迄なら斯う云う時、先生は私に声を掛けたりせずに反対車線の方を歩いて先に行ってしまって居たから、嗚呼矢張り少し距離が縮まったのかしら、とも思ったり。

貴方にとっての私が「如何でも良い人」に成り下がるのは、悲しいなぁと思うわ。

一人じゃ駄目なんて言っても、一人で立つ振りも出来るし、良いさ。

今日もまた先生と一緒の帰路だったわ。最近途中迄御一緒する事が多いわね。まぁ諸事情で私が早く着替えるからタイミングが被ると云うのもあるのでしょうけれど。また御家庭の話や夫婦喧嘩のお話を聞いたり。先生の結婚観を聞いたり。矢張り此の人は結婚とかに向いて居なさそうよねぇ、と失礼ながら思ったり。

斯うして忘れ去られて、如何でも良い人になっていくのでしょうね。私は、貴方が思って居るよりも、此の関係が消えて無くなってしまう事を恐れて居るのに。