忘れないように…

どうしらたいいか…
わからなかった…。

「じゃあ、そう思ってたらいいんちゃう…？」

と言う彼…

言い返す言葉が
浮かんで来ない。

「じゃあ…
ごちゃごちゃさせてゴメン」
と言って車から降りた。

後ろは振り向かないけど
視界に彼の車が目に入った。

今までそんな事なかったのに…。

泣くのをこらえながら
駅に向かい改札を抜ける。

…ケンカしに
来た訳じゃないのに……

…こんな終わりを願ってた訳じゃないのに……

不器用な自分…
でも、そう思ってた事は
事実だから……

何のためのセックス…
何のための高知県…

頭で整理できなくなた…。

改札を通って
階段登ってる時…

…携帯が鳴った……

…彼だった……

出るのが怖かった。
携帯を握りしめた。

鳴り止まない携帯…

出た…。

彼「今どこ？」
私「今？駅…」

彼「駅のどこ？改札抜けた？？」
私「抜けた…。」

彼「そか…。」
私「何で？？」

彼「いや…電車もうくる？」
私「あと１０分ぐらい…」

さっき、車で私を抜かして行ったから…

まさか！？
とは思った…

彼「あのまま、終わるの嫌だったから…
最後は笑って
いってらっしゃいって
言いたかったから…」

彼は、改札まで来たんだ…
戻ったらまた彼に会える。
笑って行ってきますっ
て言える…

でも、戻れなかった…。

私「もうホームやし…」
彼「わかった…。」

私の本音…
もちろん逢いたいけど…
何にせよ顔みたら泣くよ…

彼の優しい気持ちが
嬉しい涙と…
彼を思うと切ない気持ちの苦しい涙…

これ以上、
ワガママ言いたくないし
可愛くない私を見せたくない…。

これ以上、彼に嫌われたくないと思ったから…。

ホームは一番奥…

奥に向かって歩いていく…

彼「……俺、
お前の事見えるけど…」

思わず立ち止まった！！

私「えっ？？どこ？」

彼「…さっき車降りたところの少し先の駐車場…」

キョロキョロ見渡すけど…焦って探せない…。

彼は説明してくれた。
さっきとは違う
優しい声だった…。

彼が視界に入った。

わりと近くでよく見える。

大声を出したら聞こえそうな距離…。

でも、手は届かない。

彼「…気を付けて
いっといでな…

ちゃんと毎日何があったか報告してな…

浮気すんなよ…(笑)」

泣けるケド…
必死にこらえた。

新幹線が来た…。

乗って
私「さっきゴメンね…」

ちゃんと誤った。

新幹線が動き出して…
電話を切った…。

しばらく席に着けずに
その場で泣いた。

何で泣いたんだろう…？
彼を怒らせたから？
彼が怒ったから？
彼が優しかったから？
自分の惨めさ？？

長くて…
いろんな事があった
五時間だった…