都市伝説「くねくね」スレ
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#143 [寝子]
くねくねの起源
くねくねは主に田舎、特に田んぼや田舎道、草むら等で目撃されています。でも実は都市部での目撃例もあります。
曰く、ある夜のこと。
アパートの二階に住む一人暮らしの男が、ふと部屋の窓から外を見たら街灯に照らされた電柱の下で体をくねくねさせてる人がいた。
どんな奴か見ようとしたとたん、言い様のないほど大きな恐怖心に襲われるためまともに見ることができない。
そいつは毎晩現れ、日を追う毎に部屋に近づいてくる。アパートの玄関近く・エレベーター前・廊下の片隅…そしてとうとう、そいつは…ガチャリ。
都市部にお住まいの方々もくねくねには重々お気をつけください。
前置きが長くなりましたが『火のないところに煙が立たない』
この諺の示す通り、くねくねにも元となる話があります。説は複数あり、妖怪・神様・忌み児の三説が有力とされています。
妖怪説は書いて字の如く、くねくねは人に害を為す妖怪の一種であるという説。
神様説は山の神様が山(自然)を荒らされ、守るべき場所が無くなった為に力が暴走し、くねくねになったという説です。
しかし、一番説得力があり恐ろしいのは忌み子説です。
考えてみてください。何故、体をぐにゃりと曲げてくねらせるのでしょうか?
…あなたはどんな時に体をくねらせますか? 笑った時、悔しい時、何かを避ける時…体を歪ませ、くねりますよね。
さて、ならば最も体をくねらせるのはどんな時でしょうか。
:10/02/02 20:21 :F09A3 :☆☆☆
#144 [寝子]
それは、苦痛に苛まれている時です。くねくねは痛み、妬み、怨み、恨み、苦しみ、寂しさ、失意、失望、哀しみ、憤怒、幻滅、孤独感、絶望…そういった負の感情に支配され、体をくねらせることしかできない深淵の闇に囚われているのです。
余談ですが妖怪説は、ここから『くねくねは人の負の感情から生まれた妖怪である。だから見るだけで人の精神を狂わせることができるのだ』と語っています。
話を戻します。時は天明の大飢饉(1782-1788)の頃までさかのぼります。
当時何らかの障害を持った子供、つまり忌み子は一族の恥とされていたため、他人の目に触れないように監禁されていました。
:10/02/02 20:22 :F09A3 :☆☆☆
#145 [寝子]
忌み子とは主に精神に異常のある子のことを指します。このことから、忌み子説ではなく狂人説と呼ばれることもあります。
忌み子は家族からだけではなく、村人からも疎ましがられていました。
僅かな食糧を分け合いながら村人達はみな、死と隣り合わせの状態で細々と暮らしていました。
そんなある日村の貯蔵庫の鍵が壊され、中にあった米が無くなっていました。
村人達は激怒し、犯人を見つけ出してやろうと躍起になりましたが、いくら調べても犯人は見つからず、諦めかけていた時ある噂が流れました。
『…おい、こりゃもう◯◯の仕業じゃないのか?』
『アイツはまともじゃないからな…。そうだ! ○○の仕業に違いない!』
噂とは白を黒にし、黒を白に塗り替える恐ろしい力を持っています。
瞬く間に倉を荒らした犯人は忌み子にされました。村人達は忌み子の住む家に押し寄せ、あっという間に忌み子を捕えました。
狭い村の話なので、いくら家族が忌み子の存在を隠そうが完全に隠し通すことはできなかったのです。
そして忌み子の両手両足を縛り、尋問が始まりました。
:10/02/02 20:22 :F09A3 :☆☆☆
#146 [寝子]
『おい! お前…村の倉から米を盗んで食ったな!』
―違う、僕、違う…
『嘘をつくなっ! わかっているんだぞ!』
村人達の間に殺気のような極度の緊張がぶわっと広がりました。
実は忌み子は倉から米を盗んだ犯人を見ていました。忌み子にとって、部屋にある小さな小さな窓は外の世界を知る唯一の手段であり、毎日覗いていたのです。
その夜もいつものように覗いていたところ、村の米倉に忍び込む少年の姿が目に飛び込んできました。しかし、外界を知らない忌み子にとってそれが何を意味するのかはわかりませんでした。
しかし今、あの時あの倉に忍び込んだ少年に代わって自分が罰せられようとしています。忌み子は必死になって周囲を見渡し、あの時の犯人を探しました。
―違う、違う…あ
忌み子は遂に真犯人を見つけました。忌み子は真犯人を指差しながら、必死に叫びました。
―違う! 僕、違う、あいつ…あいつ…!
村人達は怪訝そうな顔で忌み子の指差す方向を向きました。
―ふぅ、これで助かっ…
指差された少年は大声で叫びました。
『お、俺…思い出した! こいつあの夜、倉の近くにいたぞ! 倉から米を盗んだのはやっぱりこいつだ!』
忌み子は愕然としました。やってないのに…あいつがやったのに…
:10/02/02 20:22 :F09A3 :☆☆☆
#147 [寝子]
村人達は少年の言葉を信じ、食糧泥棒の罰を与えるため忌み子を田んぼへ引きずって連れていきました。
『お前、村の大切な食料に手を出しただけではあきたらず、他の子に罪を押し付けるなんて!』
―僕、じゃない…
『嘘をつくな!』
―僕、じゃな…
村人達は激怒し、忌み子を一本の丸太にくくりつけました。
『認めて反省するまでここにいてもらう』
そう言って村人達は帰っていきましたが、忌み子はわかってました。
:10/02/02 20:23 :F09A3 :☆☆☆
#148 [寝子]
もう誰も助けには来てくれないことを。
失意と絶望に精神が蝕まれていき、いつしか忌み子はひたすら大声で笑っていました。
一月後、村人が忌み子の亡骸を片付けに行った時にその子の姿はなかったといいます。
あなたは本当の絶望を知っていますか? その想いを目の当たりにした時、もしかしたらあなたも…。
:10/02/02 20:23 :F09A3 :☆☆☆
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