宇宙
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#418 [獅◆/Shi.H/BwM]
(うちゅう、Universe, Cosmos)とは、

広義には、森羅万象(あらゆる物事)を含む全ての存在。天地の全体、「世界」の意味。
「コスモス」。哲学や宗教など、何らかの観点から見て、秩序をもつ完結した世界体系。
狭義には、天文学的・物理学的にみた「宇宙」。この意味では、「観測可能な宇宙」を指すこともあり、「観測可能な空間」の外側に広がる空間的に繋がった広大な宇宙全体を指すこともある。
宇宙の中でも、特に地球寄りの空間を除外したもの。英語outer space「宇宙空間」の意味。地球の大気圏外の空間。
地球の地上約100km以上、上空の空間のこと

⏰:10/01/31 00:04 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#419 [獅◆/Shi.H/BwM]
「宇宙」という言葉の確定した起源や意味は不明だが、次のような説がある。

「宇」は「天地四方上下」(つまり上下前後左右、三次元空間全体)「宙」は「往古来今」(つまり過去・現在・未来、時間全体)を意味し、「宇宙」で時空(時間と空間)の全体を意味する(漢代の書物・「淮南子斉俗訓」)。
「宇」は「天」、「宙」は「地」を意味し、「宇宙」で「天地」のことを表す。
それぞれの観点から見た場合の「宇宙」の定義には、以下のようなものがある。

哲学的・宗教的観点から見た場合、宇宙全体の一部でありながら全体と類似したものを「小宇宙」と呼ぶのに対して、宇宙全体のことを「大宇宙」と呼ぶ。

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#420 [獅◆/Shi.H/BwM]
天文学的観点から見た場合、「宇宙」はすべての天体・空間を含む領域をいう。銀河のことを「小宇宙」と呼ぶのに対して「大宇宙」ともいう。

一説には観測できる領域は宇宙の地平線の内側に限定されるが、大宇宙はそれよりはるかに大きいと考えられている。

物理学的観点から見た場合、「宇宙」は物質・エネルギーを含む時空連続体のまとまりである。

現代物理学における「宇宙」は、物理学的な「世界」全体ではなく、生成・膨張・収縮・消滅する物理系の一つである。理論的には無数の宇宙が生成・消滅を繰り返しているとも考えられている。

「地球の大気圏外の空間」という意味では、国際航空連盟(FAI)の規定によると高度100km以上のことを指す。アメリカ軍では高度50ノーチカルマイル(92.6km)以上の高空を「宇宙」と定めている。

⏰:10/01/31 00:05 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#421 [獅◆/Shi.H/BwM]
地球上から見ることができる宇宙の大きさとは、我々人間が物理的に観測可能な宇宙の時空の最大範囲を指す。宇宙は膨張し続けているため、宇宙の大きさを表現するにはいくつかの単位がある。距離測度(en:distance measures (cosmology))を参照してください。

地球から、人類が光を含む電磁波により観測可能な宇宙の果てとは、我々が観測できる光のうち、最も古い時代に光が放たれた空間を示す。この空間から光が放たれたとき、つまり約137億年前(宇宙の晴れ上がり直後)この空間は地球がある位置から地球を中心とする全方向に宇宙論的固有距離において約4200万光年離れたところにあった。そしてこの空間は当時地球の位置から光の約60倍の速度[2]で遠ざかっていた。この空間までの現在の距離である共動距離 (Comoving distance) は、約465億光年[3]と推定されている

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#422 [獅◆/Shi.H/BwM]
宇宙の晴れ上がりの直後から約137億年の間に、宇宙は約1100倍程度膨張したと考えられる。この空間は現在、光速の約3.5倍の速度で地球から遠ざかっており、[5]かつ宇宙が生まれてから現在に至るまで常に超光速を保っている。つまり我々が現在電磁波によって観測できる天体の中には、その天体が生まれてから現在に至るまで常に超光速の後退速度となるものが存在する。

⏰:10/01/31 00:05 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#423 [獅◆/Shi.H/BwM]
天体から放たれた光が地球にたどり着くまでの時間に光速をかけたものは光行距離 (Light travel distance) とよばれる。[6]これは光が地球に届くまでの間に、光の旅した道のりを表す。光行距離では、電磁波により観測される宇宙[7]の果てから地球までの光の旅した道のりは約137億光年と推定される。これは光速に宇宙の年齢をかけたものだが、この値は先に述べた2つの距離(465億光年、4200万光年)と値が異なる。なぜならば、光が地球に届く間に宇宙が膨張し、そのため光の道のりが延び、また光を放った空間が遠ざかるからだ。つまり光行距離はある時刻における空間上の2点間の距離を指し示すものではない。天文学では光行距離を天体までの距離とみなすことが多いが、それは現在の天体までの距離や、天体が光を放ったときの天体までの距離を示すものではない。それはあくまで、我々に届く光が旅した道のりである。

⏰:10/01/31 00:06 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#424 [獅◆/Shi.H/BwM]
まとめると、今我々が観測することができる最も古い時代に放たれた光は、約137億年前に約4200万光年離れた空間から放たれた光である。そしてその空間は現在465億光年先にあり、光は137億年かけて137億光年の道のりを旅してきたということである。わずか4200万光年の距離を光が進むのに137億年もの時間を費やしたのは宇宙の膨張が地球への接近を阻んだためである。これは、流れの速い川を上流へ向かう船がなかなか前に進めないことと似ている。宇宙空間の膨張は一般相対性理論より導かれる。よって電磁波の媒質である空間の膨張により地球を基点としたときの、地球から離れた場所にある光の速度が変化しても特殊相対性理論における「光速度不変の法則」とは矛盾しない。

⏰:10/01/31 00:06 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#425 [獅◆/Shi.H/BwM]
我々の観測可能な領域を超える宇宙は、共動距離的な意味の場合、インフレーション理論に基づき、より広大であろうと予想されているが、いまだその大きさが有限なのか無限なのかすらわかっていない。

光行距離的な意味では、137億光年以上の距離では宇宙の晴れ上がり以前となるため光が直進できず、地球への旅ができない。つまりそのような距離そのものが存在しないことになる。

⏰:10/01/31 00:06 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#426 [獅◆/Shi.H/BwM]
宇宙は膨張を続けていることが分かっている。1929年にエドウィン・ハッブルが遠方の銀河の後退速度を観測し、距離が遠い銀河ほど大きな速度で地球から遠ざかっていることを発見した(ハッブルの法則)。

一方、これに先立つ1915年にアルベルト・アインシュタインによって一般相対性理論が発表され、エネルギーと時空の曲率の間の関係を記述する重力場方程式(アインシュタイン方程式)が見出された。

⏰:10/01/31 00:07 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#427 [獅◆/Shi.H/BwM]
これを受けて、宇宙は一様・等方であるという宇宙原理を満たすようなアインシュタイン方程式の解が、アインシュタイン自身やウィレム・ド・ジッター、アレクサンドル・フリードマン、ジョルジュ・ルメートルらによって導かれたが、これらの解はいずれも時間とともに宇宙が膨張(または収縮)することを示していた。

当初、アインシュタインは宇宙は定常であると考えていたため、自分が見つけた解に定数(宇宙定数)を加えて宇宙が定常になるようにしたが、後に前言撤回をした。その後にハッブルによって観測的に宇宙膨張が発見され、膨張宇宙という概念が定着した。

⏰:10/01/31 00:07 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#428 [獅◆/Shi.H/BwM]
無数の銀河がほぼ一様に分布していて、その距離に比例した速度で遠ざかっているように見えるが、これはわれわれ太陽系が宇宙の中心だからではなく、例えいずれの銀河から見たとしても、これと同様に見える。それは、すべての天体を含む宇宙全体が膨張しているから(膨張宇宙論)であると考えられる。宇宙原理に従えば、宇宙には果てがない。よって宇宙膨張の中心は存在しない。銀河の後退速度が光速に等しくなる距離は、宇宙論的固有距離において地球から約137億光年のところとなる。宇宙年齢に光速をかけた距離とこの距離が一致するのは偶然である。ここまでの距離はハッブル距離、あるいはハッブル半径と呼ばれるが、これは宇宙の地平面(宇宙の事象の地平面、あるいは粒子的地平面)ではない。光速を超えて遠ざかる天体は赤方偏移Z=1.7程度の天体と考えられるが、この値を超える天体はすでに1000個以上観測されている。

⏰:10/01/31 00:08 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#429 [獅◆/Shi.H/BwM]
宇宙の始まりはビッグバンと呼ばれる大爆発であったとされている。

ハッブルの法則によると、地球から遠ざかる天体の速さは地球からの距離に比例するため、逆に時間を遡れば、過去のある時点ではすべての天体は1点に集まっていた、つまり宇宙全体が非常に小さく高温・高密度の状態にあったことが推定される。

このような初期宇宙のモデルは「ビッグバン・モデル」と呼ばれ、1940年代にジョージ・ガモフによって提唱された。

⏰:10/01/31 00:08 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#430 [獅◆/Shi.H/BwM]
その後、1965年にアーノ・ペンジアスとロバート・W・ウィルソンによって、宇宙のあらゆる方角から絶対温度3度の黒体放射に相当するマイクロ波が放射されていることが発見された(宇宙背景放射)。これは、宇宙初期の高温な時代に放たれた熱放射の名残であると考えられ、ビッグバン・モデルの正しさを裏付ける証拠であるとされている。

しかしその後、宇宙の地平線問題や平坦性問題といった、初期の単純なビッグバン理論では説明できない問題が出てきたため、これらを解決する理論として1980年代にインフレーション理論が提唱され、ビッグバン以前に急激な膨張(インフレーション)が起こったとされている。[8]

場の量子論によれば、発生初期の宇宙は真空のエネルギーに満ちており、それが斥力となり宇宙膨張の原動力になったとされる。

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#431 [獅◆/Shi.H/BwM]
膨張する宇宙がこの先どのような運命をたどるかは、アインシュタイン方程式の解である宇宙モデルによって異なる。

一般に、一様等方という宇宙原理を満たすような宇宙の形には、空間の曲率が0の平坦な宇宙、曲率が正の閉じた宇宙、曲率が負の開いた宇宙の3通りが可能である。

平坦な宇宙か開いた宇宙であれば宇宙は永遠に膨張を続ける。閉じた宇宙であればある時点で膨張が収縮に転じ、やがて大きさ0につぶれる(ビッグクランチ)。

2005年時点での最新の観測結果によれば、宇宙は平坦な時空であり、このまま引き続き広がり続け、止まることはないと考えられている。

⏰:10/01/31 00:08 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#432 [獅◆/Shi.H/BwM]
宇宙の年齢・大きさの項目とも関連するが、平坦な宇宙や開いた宇宙の体積は無限大であり、このような宇宙では宇宙誕生当初から体積は無限大である。これは、宇宙が素粒子よりも小さな大きさから膨張を始めたというビッグバン宇宙論やインフレーション宇宙論と相容れない点である。無限から無限への膨張は矛盾しないが有限から無限への膨張には少なくとも1度は無限大の膨張速度が必要でありインフレーション宇宙論においても説明できない。ただし「開いた宇宙」は現在有限(で閉じた)宇宙だが永久に膨張を続けるという意味で時空的に無限という意味合いで使われることもある。この場合は膨張速度無限大の問題は生じない。

宇宙が平坦であり永遠に膨張を続けるということは、最終的に宇宙は絶対零度に向かって永遠に冷却し続けることを意味する(現在は3K、約-270度だといわれている)。宇宙の終末に関するより詳細な議論については、宇宙の終焉を参照。

⏰:10/01/31 00:09 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#433 [獅◆/Shi.H/BwM]
地球は惑星のひとつであり、いくつかの惑星が太陽の周りを回っている。太陽とその周りを回る惑星、その周りを回る衛星、そして準惑星、小惑星や彗星が太陽系を構成している。

太陽のように自ら光っている星を恒星という。恒星が集まって星団を形成し、恒星や星団が集まって銀河を形成している。

銀河は単独で存在することもあるし、集団で存在することもある。銀河の集団を銀河団といい、銀河団や超銀河団の分布が網の目状の宇宙の大規模構造を形成している。網の目の間の空間には銀河はほとんど存在せず、超空洞(ボイド)と呼ばれている。

⏰:10/01/31 00:09 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#434 [獅◆/Shi.H/BwM]
天文的な距離を表すのには光年がよく用いられるが、銀河間の距離や宇宙の構造を取り扱う場合にはメガパーセク(Mpc)が使われることがある。1メガパーセクは326万光年。

宇宙の最大観測可能距離:4200Mpc
かみのけ座銀河団までの距離:90Mpc
超空洞ボイドの直径:30〜10Mpc
おとめ座銀河団までの平均距離:20Mpc
アンドロメダ銀河までの距離:0.7Mpc
銀河系の直径:0.03Mpc

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#435 [獅◆/Shi.H/BwM]
国際航空連盟、NASA等の諸活動を考慮した便宜的な定義
^ ここでいう「速度」の大きさとは地球のある位置から対象までの宇宙論的固有距離を宇宙時間で微分したものである。以下、「宇宙の大きさ」の項目における「速度」および「速さ」はこの定義に準ずる。
^ 465億光年先の空間は現在における光子の粒子的地平面である。
^ 「宇宙図の見方」(国立天文台)
^ 宇宙の膨張は空間自体の膨張であるため、光速を超えることも可能である
^ 「光行距離」は現代中国語での表現。日本語ではまだLight travel distanceの定訳はない。中国語でもComoving distanceの訳語は「共動距離」である。
^ 電磁波による観測に制限されない、観測可能な宇宙との違いに注意。
^ 「宇宙はどのように生まれたのか?」(国立天文台)

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#436 [獅◆/Shi.H/BwM]
ブラックホール
ブラックホール (Black hole) は、重力が強く、光さえも抜け出せない時空の領域のことを指し、その中心に特異点が存在する。大質量の恒星が超新星爆発した後、自己重力によって極限まで収縮することによって生成したり、巨大なガス雲が収縮することで生成すると考えられている。ブラックホールの境界は、事象の地平面 (event horizon) と呼ばれる。一般相対性理論では、厳密にはブラックホールは、『時空の他の領域と将来的に因果関係を持ち得ない領域』として定義される。

21世紀初頭現在、ブラックホール自体を直接観測することはまだ成功していないが、周囲の物質の運動やブラックホールに吸い込まれていく物質が出すX線や宇宙ジェットから、その存在が信じられている。銀河の中心には、太陽質量の106〜1010倍程度の超大質量ブラックホール (super-massive black hole) が存在すると考えられており、超新星爆発後は、太陽質量の10倍〜50倍のブラックホールが形成すると考えられている。20世紀末には、両者の中間の領域(太陽質量の103程度)のブラックホールの存在をうかがわせる観測結果も報告されており、中間質量ブラックホール (intermediate mass black hole; IMBH) と呼ばれている。

数式上は、すべての物質を呑み込むブラックホール解と相反するものとしてホワイトホール (white hole) 解が存在する。

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#437 [獅◆/Shi.H/BwM]
ブラックホールの周囲には非常に強い重力場が作られるため、ある半径より内側では脱出速度が光速を超え、光ですら外に出てくることが出来ない。この半径をシュヴァルツシルト半径と呼び、この半径を持つ球面を事象の地平面(シュヴァルツシルト面)と呼ぶ。ブラックホールそれ自体は不可視だが、ブラックホールが物質を吸い込む際に降着円盤を形成するので、そこから放出するX線やガンマ線、宇宙ジェットなどによって観測が可能である。

⏰:10/01/31 00:11 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#438 [獅◆/Shi.H/BwM]
ブラックホールは単に元の星の構成物質がシュヴァルツシルト半径よりも小さく圧縮されてしまった状態の天体であり、事象の地平面の位置に何か構造があるわけではない。よってブラックホールに向かって落下する物体は事象の地平面を超えてそのまま中へ落ちて行く。実際には、有限な大きさを持つ物体は強力な潮汐力を受けるため、事象の地平面に到達する前に素粒子レベルで破壊されてしまうと考えられる[1]。一方、ブラックホールから離れた位置の観測者から見ると、物体が事象の地平面に近づくにつれて、相対論的効果によって物体の時間の進み方が遅れるように見える。よってこの観測者からは、ブラックホールに落ちていく物体は最終的に事象の地平面の位置で永久に停止するように見える。同時に、物体から出た光は赤方偏移を受けるため、物体は落ちていくにつれて次第に赤くなり、やがて可視光から赤外線、電波へと移り変わって、事象の地平面に達した段階で完全に見えなくなる。

⏰:10/01/31 00:11 📱:PC 🆔:E3Rr1lv.


#439 [獅◆/Shi.H/BwM]
ブラックホールの中心には、密度、重力が無限大である特異点がある。そこでは時空の性質を記述するアインシュタインの一般相対性理論が成り立たないため、特異点の性質その他を従来の物理学を用いて議論することはできない。

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