ブラックジョークV
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#7 [こぴぺ]
あるTV局の取材班が秘境の部族の生活をドキュメンタリー番組に撮りに、ジャングル奥地にやってきた。
「明日の外の収録は無理かな。この分だと雨のようだ」
どす黒くたち込めた雲を見てディレクターがつぶやくと、側にいた部族の老人がぼそっと言った。
「明日は晴れじゃ…」
翌日は抜けるような晴天だった。取材班はその日一日カメラを回すことができた。
「よし、今日はいい画が撮れた。明日も晴れそうだし、みんながんばってくれよ」
ディレクターが,美しい夕焼けを見上げながらそう言うと、またまた老人がぼそっと言ったのである。
「明日は嵐じゃ…」
そしてその通りとなった。次の日は強い嵐であった。
その夜、取材班は話し合った。
「やはり大自然に生きる人間には、あたりまえのように天気を知る力が備わっているんだろうな」
「我々文明人がいつしか無くしてしまった能力なのでしょうか…。」
取材班は件の老人のボロ小屋を訪ねることにした。
老人の粗末な小屋の壁には何か分からぬ獣の頭蓋骨がいくつも飾ってあった。
ディレクターは,おそるおそる聞いた。
「ご老人、明日の天気はどうでしょうか?」
老人は黙って首を振った。

続く↓

⏰:10/11/27 17:44 📱:W63CA 🆔:4KCmXQMI


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