ブラックジョークV
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#291 [七氏]
Kさんは、わたしの某地域での情報収集に力を貸してくれている仲間の一人である。
理系出身で理論的な思考力に長ける彼には、小学校時代に奇妙な体験がある。それは、いなくなったクラスメートBくんのことである。
(おかしい…なぜみんな、あいつのことを覚えていないのだろうか)ある日突然、同級生のBくんがいなくなるという事件があった。事件直後はちょっとした噂だったが、なぜかクラスメートが全員Bくんのことを覚えていないというのだ。
あれは、たしかBくんが小学校の4年2組にいたころの話である。
「ドリフのものまねやるよ〜」
Kさんは、いまでもBくんの声を思い出すことがあるという。おもしろいやつで、タレントの物真似をやったり、いつもクラスの人気者だった。(それなのに2年たったいまでは、誰も覚えちゃいない。いったいどうしたってんだ)
クラスメートだった仲間をたった2年で忘れてしまうものだろうか。6年生になったころには、4年生のときに同じクラスだったどの人に聞いても一様に知らないというのだ!
「そんなやつって…いたっけな?」
「お前の妄想じゃねぇの?ww」
小学校の仲間うちでは、Bくんの記憶は完全に失われているのである!
たしかにBくんにはヘンなところもあった。自分は超能力があるといってスプーンを曲げたり、その日の野球の結果をズバリ当てたりしていた。(気味が悪いので、どっかに連れて行かれたのか?でも、それはあいつ一流のショーマンシップであって、けっして不快なものではなかったはずだ。それなのに何故……)
:11/03/21 13:50
:SH906i
:eRyiUJ.A
#292 [七氏]
そういえばBくんは、突然姿を消していた。4年生の2学期の終わりごろだて。ふつうの転校生であれば、あいさつぐらいはするだろう。ところがあいさつもなく、ある朝机ごと消えてしまったのだ。そして、誰もそのことを不思議がらない。覚えてすらない。そう、まるで最初からBくんがいなかったかのように振る舞うのだ!あるときKさんは、Tくんにこのことをたずねてみた。不思議そうに首をかしげるTくんは、こう言った。
「ぼくもずっと考えてたんだ。きみって3年生のとき、ある朝突然同級生になってたよね。まるで昔っからの友人みたいにさ」
:11/03/21 13:50
:SH906i
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