本当にあった怖い話

(始まります)

先週の水曜日の話です。
私は久々に友人(以下、友)と二人でカラオケに行きました。
お盆明けの平日でしたが、まだ夏休み真っ最中＆他に娯楽もない田舎ですから結構こんでいました。
受付のカウンターは二つあって店員も二人以上いるのに、一人で対応しているから遅い遅い。
余談ですが、零感の私はこのカラオケを(霊的な意味で)嫌な場所だな…と思ったことはないのでずが、前日に10回以上電話したのに繋がらなかったり、マイクの調子が悪くて変えてもらいにいっても謝罪が無かったり、これ以上に酷いことも色々とあって、店員に関しては最悪だと感じていました。

話は戻りますが、テンパる店員に、割り込むおばちゃんたち…なかなか私たちの番がきません。
私は退屈しのぎに、ぼーっとパーティルームを見ていました。
そこのパーティルームは他の部屋よりも広くて、大きなガラスの窓があって中がよく見えるようになっています。
そのパーティルームの扉が開いていて、ちょうどそこから見える席に女の子が座っていました。十代中頃くらいでした。
女の子はスマホをいじるようにうつむいていましたが、特にになにをするでもなく、ただただ、そこに座って不自然なほどにピクリともしませんでした。
時間にして、二～三分くらいは見ていたと思います。

そうこうしている間に私たちの番がきて、店員の全くなっていない接客wを受けて部屋に入りました。そして荷物を置いて、ひとまずドリンクバーを取りに行こうということになりました。
ドリンクバーと受け付けカウンターは隣にあるので、私はまたわけも無くあのパーティルームを見やりました。

…あれ…

私は違和感を覚えました。
そのパーティルームには誰もいませんでした。さっきの女の子も。
そしてさらにおかしいとこに気づきました。
受け付け待ちのとき、私がぼーっとそのパーティルームを見たときには
〝そのパーティルームの扉は開いていた〟のです。
カラオケって、普通、使用中の部屋の扉は閉まってますよね。
しかも、上記した通り、そのパーティルームは大きなガラスの窓があって中がよく見える…つまり人が中にいれば直ぐに分かる。

おかしな話と思われるかもしれませんが、そのときになって初めて違和感がはっきりとしました。
…さっき受け付け待ちのときにも、パーティルームにはいなかったんですよね。
だあれも。
開いた扉から見える彼女以外は。

ヒトカラでパーティルームになんか絶対に通してはもらえない。
部屋へ続く通路には受け付けを済ませないと入れない。
しかもそんなところで座っていたら、絶対に店員は注意をして退出させるはず…

…あー…
私はなんとなくあれが人ではなかったのだということに気づきました。
調子のいいやつと思われるかもしれませんが、あれは確かに人の持つ気？というかオーラというか…そういうのが全く感じられなかったような、言うなればリアル感がなかったような気がします。(後付けだと言われてしまえばそれまでです)
しかし、あれを見たときも、あれが人ではないのでは、と思ったときも一貫して私は恐怖を感じませんでしたし、未だに確かめる術もないので、あれが人ならざるものだったのかもわからないままです。

余談になりますが、私は母から〝普通の人間は辺りが暗いと見えないが、霊は暗いところでも明るい場所で見るように見える〟と教えられていました。
しかし、あれは暗いパーティルームの中で、普通の人間が暗がりの中にいるように見えていたし、何より私には恐怖感が全くありませんでした。
子供(とはいっても十代中頃から二十代前半くらいに見えた)が紛れ込んだだけかもしれません。

しかし、オカルト好きとして、あれが人ではなかったとして仮説を立てるとすると、私の考察は以下の通りです。
・零感の私では母と同じようには見えないため？
・カラオケという電磁波が発生しやすい＆人が集まって楽しそうな場所ということで、吸い寄せられただけで、特に悪い霊ではなかった？ので私は怖いと思わなかった？
(母曰く怖くない霊もいるとのこと。テレビなんかのは怖くするために作りすぎ。普通の人と見分けがつかないことも。ただたまにとんでもない怖いのもいるらしい)

どうでしたでしょうか。
全然怖くなかったでしょう。そのはずです。体験者の私がまったく怖くなかったのですから。
しかし、以上の話をふまえて、考えてみてください。
零感の私が、霊(断言はできませんが)
を見ました。
まったく恐怖感はなく、おかしいと思う点がなければ私はあれを人間だと思い込んでたいたでしょう。

つまり、

あなたが街ですれ違った人はひとですか？

と、言うことですね。

(おしまい)