ぞっ‥とする怖い話
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#596 [七氏]
これはオカルトなのか偶然なのか分からないけど…

中一の一学期、まだ同じ小学校上がり同士や新しい友達探しで、クラス全員がそわそわとぎこちない毎日を過ごしていたんだ。
みんなも何となく分かるよね?
そんな時にクラスの男の子の一人が、漫画雑誌のある記事をみんなに教えまわっていたんだ。

それはみんなも知っている「トイレの花子さん」と言う、簡単に出来る降霊術。
イジメられて死んだ花子って昔の女の子を、トイレに呼び出す方法が記事になっていた。

詳しいやり方は忘れたけど、女子トイレの奥から二番目の扉の入口に立ち、花子さんが死んだ年の数だけノックする。
次に中に入り、花子さんが死んだ月の数だけノックする。
その次はトイレから出て、外から花子さんが死んだ日の数だけノックする。
最後にトイレに向かって「花子さーん!」と呼びかける。

すると「は…い…」と聞こえる。と書いていた。

⏰:10/08/24 19:48 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#597 [七氏]
その「トイレの花子さん」遊びは瞬く間にクラスで流行した。
休み時間の度に、「全然聞こえねぇw」「キャー!聞こえたー!」とトイレから帰ってくるクラスメイト達。
俺も何人かとやったが、全く聞こえなかった。

恐さも手伝い、中学生活最初の流行は、俺のクラスメイト達の交流を盛んにし、みんながみんなと会話をし、新年度特有のそわついた空気は消えていた。

⏰:10/08/24 19:53 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#598 [七氏]
その遊びの流行は収まらず、聞こえる訳がない派・絶対に聞こえる派・怖いから二度としたくない派・聞こえないが何とか聞きたい派。みたいに、派閥に分かれ、色々な意見交換がかわされた。
軽い口喧嘩も絶えなかった。

そんな時、絶対に聞こえる派の一人が「クラスみんなでしようよ!」と言い出した。
その意見にクラスのほぼ全員が賛成した。

どんな小さな声も聞き逃さない様に、場所は本校舎とは離れた、静かな別校舎が選ばれた。
別校舎は音楽室や美術室などの教室ばかりで、利用クラス自体が少なく、昼間でも休憩中のトイレは殆ど利用者がいなかった。

⏰:10/08/24 20:03 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#599 [七氏]
そして数少ない「興味ない派」を残し、30名以上での大規模な「トイレの花子さん」遊びが始まる。

トイレの中に入れる人数は限られているので、花子さんを呼び出す一連の作業は「絶対に聞こえる派」の女の子三人が引き受けた。
その一連の作業を終え呼びかける。

「花子さーん」
「……………」

「花子さーん!」
「………………」

絶対に聞こえない派の含み笑いが聞こえる。

「花子さーんっ!」
「…………………」

やはり聞こえない。

⏰:10/08/24 20:11 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#600 [七氏]
「だから聞こえるワケねぇだろw」
「嘘ついてんなよww」

冷やかさて何も言い返せなかった「絶対に聞こえる派」が
「もう一度だけやらせて!」
と言いだし、「絶対に聞こえない派」も冷やかしながら
「やってみろよw」
と答えた。

再び一連の作業が始まる。
「絶対に聞こえない派」も何だかんだ言って怖いのか、再びトイレは出来る限り静かとなる。

一連の作業を終え呼びかける…

「花子さーん…」










「は ぁ゙〜ぃ゙…」

⏰:10/08/24 20:19 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#601 [七氏]
「ぐわぁーー!」
「ぎゃーっ!」
「いやーーーっ!」

クラス全員がパニックに陥った。
みんながその場所から逃げるのに必死だった。

美術室か音楽室か忘れたが、全員が息を切らしながら教室に辿りついた。
少し冷静になりながらも、まだパニック気味。

トイレで端っこにいた人は何も聞こえなかったらしいが、「絶対に聞こえない派」の人が叫びながら逃げるので、聞こえていない人も息を切らしながら逃げたみたいだ。

この時から俺達クラスの意見は、「トイレの花子さん」は実在する。と決着がついた。

⏰:10/08/24 20:26 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#602 [七氏]
それから数日内で「トイレの花子さん」遊びは、クラスだけで留まらず、学校内での流行となった。
しかし俺達のクラスは誰一人として、再び「トイレの花子さん」遊びをしなかった。

決着がついたからか怖かったのか分からないが、確かにクラスの殆どの人が、「はーい」と言う声を聞いたからだ。

さらに数日が過ぎ、「トイレの花子さん」が学校では禁止された。
学校中の女子トイレに、遊びの為に男子まで入り込むのだから当然と言える。

学校で「トイレの花子さん」遊びが禁止された翌日、クラスの一人の男の子が、ある告白をした。

「あの時の声は俺だったんだよw」

「絶対に聞こえる派」は彼に激しく文句を言った。
「せっかく自分達が正しかった事が証明出来たのに!」と思ったのだろう。

⏰:10/08/24 20:38 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#603 [七氏]
さらに「絶対に聞こえない派」も彼に文句を言った。
「絶対に聞こえないと鼻で笑っていたのに、彼のせいで怖がってしまった!」からだろう。

しばらくして、その漫画雑誌の最新号をクラスの男の子が持ってきた。
(ちなみに最初に漫画雑誌を持ってきた男の子が、「はーい」と言った男の子です)
その男の子が「ちょっとこれ見て!」と、みんなに見せて回っていた。

「トイレの花子さん」の呼び出す方法を書いていた記事と、同じコーナーのところに、こう書いていた。

〇〇号にのっていた「トイレの花子さん」は呪われた話なので、呼び出す方法は実行しないでください。
もし実行して声が聞こえた人は、お祓いをしてもらって下さい。

クラス中のみんなが「お前、花子さんに呪われるんじゃないか?」と言った。
俺やクラスの殆どの人は、冗談混じりで「呪われんぞ!w」と言っていたが、「絶対に聞こえる派」は、まだ怒りが収まらないからか、「絶対に呪われるよ!」と決めてかかっていた。

こうして俺のクラスの中学生活最初の流行、「トイレの花子さん事件」は風化して言った。

⏰:10/08/24 20:52 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#604 [七氏]
そんなこんなで夏休みがきた。
親とジジイの家に遊びに行った時に「五目並べ」を教えてもらいハマりまくったw

あまりに楽しかったので、ジジイの家に泊まる事に決めた。
「飽きるまで勝負してくれ!」とジジイを困らせ、寝食以外は「五目並べ」をしていた。

二泊した夕方、母親から電話がかかってきた。
(呼び戻されんだろなぁ)と思って電話に出た。

「クラスの男の子が亡くなったみたいよ!お葬式とかあるから明日迎えに行くから。」
誰のことかは母親は知らないらしい。

ジジイと夕飯を食いながらニュースを見ていると、俺の友人の写真が映った。

今日、午前〇時頃、〇〇線で、自転車に乗った〇歳の少年が…

ぐにゃりと考えられないくらい曲がった自転車が映しだされた。

即死だった。
みんなの想像通り、少年は「はーい」と言った男の子です。

翌日の朝刊の地方欄に、×印がつけてある現場の写真と一緒に、事故の事がかかれていた。

副担任が一報を聞き付け、現場に行ったらしいけど、×印の場所には目玉があったらしい。
そこら辺に手足や肉や血が飛び散り、助からないと思ったらしい。

⏰:10/08/24 21:11 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


#605 [七氏]
長文&連投ごめん。

最後まで読んでくれてありがとう…とは言えないか?

これが俺の一番のオカルト体験だよ。

⏰:10/08/24 21:13 📱:SH001 🆔:qTl8/8Lc


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