ひばり菓子屋本店

一年前の5月くらいだったかな？
高校出てから就職して、忙しい毎日送ってた。その頃、中学の時からずっと付き合ってた彼女がいて、その子とは声に出さなくてもお互いの思ってる事とかそれなりに理解出来るくらい親密な仲だった。
でもそれだけだとなんか物足りなく感じてた自分がいて…多分刺激が欲しかったんだと思う。

そんな時に会社の飲み会に誘われた。
会社の飲み会なんて初めて行ったから驚きばっかだった。コンパニオンの若い姉ちゃんがたくさんいて、普段仕事を真面目にこなす先輩方がすっげー楽しそうに騒いでんだもん。自分は先輩のお酒注ぎにまわったり、オレンジジュース飲んだりしてひっそりしてた。
｢お兄ちゃんいくつ？可愛い顔してるね、何飲んでるの？｣
コンパニオンの一人が話しかけてきた。
うまい返しも考えられず普通に
｢18。オレンジジュース美味しいよ。｣
とだけ返事した。

コンパニオン｢へー、じゃあまだ未成年なんだね。お酒飲まないの？｣
自分｢一応未成年なんで。なんか問題になってからじゃ遅いし。｣
そっか、そうだよねと言ってオレンジジュースを注いでくれたお姉さん。
｢あーあ、なんか暇だなぁ…｣
正直に言うと酒だめ、先輩出来上がってる、自分だけしらふ。そんな状況がほんとに暇で帰りたかった。

ひとしきり飲んだ所で
社長｢じゃあ二次会いくか！雲雀も来い、社会勉強だ！｣
こんな台詞が聞こえてきた。
あんまり乗り気じゃなかったけど表には既に送迎バスが停まってて、逃げられない感じだった。
バスの中では先輩達がそれぞれコンパニオンといちゃいちゃしてて気まずかった。

二次会はキャバクラだった。
綺麗なねぇちゃんが派手なドレス着てた。
社長からお酒の許可がおりたのでキャバ嬢とそれなりに楽しく過ごせた。

いつの間にか自分の周りには5人くらいキャバ嬢がついてて、社長の金だからと高そうなシャンパンを何本も開けた。法律ごめんなさい。
｢見掛けによらずお酒強いんだねー｣なんて言われながらキャバ嬢とワイワイ楽しんでた。
社長｢雲雀ものってきたみたいだし、三次会行くか！｣
(まじすか…いつ帰れんだよ)
そんな事思いながら時間確認。
(ん？まだ12時か…もうここまで来たら最後まで残ってやる)
そんな訳のわからない闘争心にかられて着いたのは水着キャバクラ。

その時には自分も含めて4人しか残ってなかった。
(なるほど、この3人がキャバクラ好きな3人なんだな。)
分析もほどほどにし、柿ピー食べてた。
社長｢雲雀の隣が寂しいな。女の子付けてやれ！｣
｢いや社長、一応ついてますよ？そんなに女の子いらないです。｣…なんて言えるわけもなく女の子追加。
｢宜しくね～、君いくつなの～？｣
追加された女の子は図々しく自分とキャバ嬢の間に割って入ってきた。
その子は見た目が小森純。正直苦手なタイプだった。
ひ｢まだ18。｣
今日だけで何回自己紹介したことか。
小森｢マジ!?ウチも18ー！｣
(聞いてねぇよ、声でけぇよ、スリスリしてくんなよ)

小森｢ってゆーかさ！最初見たとき女の子かと思っちゃったwwww雲雀くん可愛い顔してるね！ウィスキー飲める？｣
最初の台詞はスルーで、
ひ｢飲めるよ。｣とだけ喋った。
そしたら山崎の12年ものだったかな？ロックで出てきて…結局上がるまでにボトル3本くらいかな？開けた。この時はほんとに調子良くって、いくらでも飲める気がした。
小森｢雲雀くんさ、これウチの連絡先…良かったら今度遊ぼ…ﾋｿｯ｣
…素直に嬉しかった。