>>98【続き】
「パリに憧れを持っていたわたしは、人生初めての旅行で、全行程自由行動のパリツアーに友人と2人で参加しました。帰国する前日、サンジェルマンの裏通りを歩いていると、反対からやってくる日本人らしき2人の男性がいました。『こんにちは』と声を掛け合い、すれ違った後のことです。1人の男性が戻ってきて、『ねえ、これからうちでパーティーをするけど、よかったら来ませんか?』とのお誘いをいただきました。友人と、ちょっとのぞいてみるだけのつもりで参加することにしたのですが、わたしは声をかけてくれたその人と躍り続け、語り明かし、そして恋に落ちました。
後からわかったことですが、わたしと友人はあの日地図を見ながら歩いていたものの、行きたい通りを1本間違えてパリの街を歩いていました。もしも正しい道を歩いていれば、彼と出会うことはありませんでした。運命を感じています。彼とはその後帰国してからも文通を続け、東京〜札幌の遠距離恋愛を経て、結婚しました。今は子供3人、孫2人にも恵まれ、幸せに暮らしています」