大嫌い

深く深く沈んでいく
乳白色の液体と同化するように僕の体は沈んでいく
そしてそのミルクのような世界に僕は一人溶けていく
世界と混ざり合って理解する
あぁ僕は他にはいないんだ、と
誰も他人を完全に理解することができないのは
みんな違うからだ
僕を完全に理解してくれないのは
だれも僕じゃないからだ

"そんな当たり前のことに今更気付いたの？"
"人間というものは本当に愚かだなあ"

乳白色の波が囁きかける
その言葉は僕の体をすり抜けて
僕は明るいミルクの中に静かに溶けていった

君の頭の中で壊れていくの私という存在が
でもそんな私が愛おしく思えてくるの
そこから見る私の世界はとても綺麗だから
そしてそこにいる君がとても眩しいから

fly to live
live to fly
これはすごい大事なことだと思う

時間は全ての人に平等だ

居場所を失った女王蜂
自由を求めて巣を抜け出して
外の世界に飛び込んだ
だけどもそこも敵ばかり
必死に必死に生きたのさ
気付けば周りには仲間たち
女王蜂はまた困った
鎖でまた縛られた
だから女王蜂は死んだのさ
信頼という名の毒を身に受けて

僕らはいつも"何か"であることを強制されている
それは例えば子供・大人らしくだとか、男の子・女の子らしく、だとか
誰だって強制されるのは嫌なのに
それでも僕らは互いに強制しあう
そういった役割を全て取り払ってくれる誰かの存在を夢見て
今日もまた僕は生きている