私立織愛学園＊８０

ｰ屋上ｰ

……おや？

(屋上のフェンスに凭れ掛かりながら冬空の下飴をくわえ上機嫌に鼻唄を歌っていれば自身の携帯の画面が光っている事に気付き開くと珍しい相手からのメールに少なからず目を開いて驚くがその内容に沈黙し)

…甘いもの？……食べかけしかないけど良いですか、っと

(全く何の事か分かっていない様子で首を傾げるが手に持っていた飴をメール画面と交互に見遣るとポチポチと返信メールを返し)

【返！(笑)あげ´｀】

【寮/４階廊下→自室前】

(ライヴのリハ後に疲れきった様子で楽器や機材を運びながら自室へ歩を進めドアの前まで来ると荷物を置き鍵を取り出して開け、鍵をポケットに戻すと同時に今度は携帯を取り出し画面を見れば新着表示されていて)

…ん？………、………あァ？

(メールの内容を確認すると眉間に皺を寄せそう漏らし、携帯をしまえば再度荷物を持って自室へ入り)

【かいりーのばかっ＞＜｡ｗ
あげ！】

[寮二階/自室前廊下]

…え。もしかしてくれ………あ、うん。…そっか、わかった渡しとく。←

(チャイムを鳴らされ部屋から出てくれば目の前には見知った女子生徒がいて用件を問えば無言でラッピングされたものを差し出され困惑しながらもどこか嬉しそうに口を開くが"〇〇先生に"と言葉を遮られれば空笑いしつつそれを受け取り)

【バレンタインの流れに乗ってみた！あげ！】

<学園一階/家庭科室>

んーっと、
生クリームよし！チョコよし！
エプロン着けた、気合いよーっし！

か、簡単って書いてあるし大丈夫だよね。ね？
(材料を並べ一人ぶつくさと独り言を言いながらおぼつかない手つきで、参考書をみながらお菓子づくりを始め)

えーっと
チョコ溶かすんだよね。湯煎？え？
れ、レンジでもいいかなー？あーまず細かく切るのか。………………ん？あ、いったー！あれ？ちょ

(参考レシピと手元を交互に見てはあわあわと情けない声を出し、借りた家庭科室で一人お菓子づくりに没頭していて)

【あげ】

<寮/自室>

……やっぱり
明日買いにいくべきよね。
(ラッピングした箱を前に正座して、懺悔のごとく手を合わせてぶつくさぼやき)

見た目なんて愛があれば！なんて幻想だもーん。お兄ぃに送りつけてやろーかな
初挑戦だけど、あああーっ！もう！

どうしよう。

(頭をかきむしり眉を寄せ顔を歪め苦悩に身をよじり独り言を延々ぼやき続けて)

【あげ】

ｰ学園/校舎入り口ｰ

………………………………、

(大寝坊のため欠伸を噛み殺しつつ遅すぎる登校をしてくると靴を履き替えようと靴箱を開けるがチョコと思われるものが２、３個と馬鹿デカイチョコが１つ降ってき、何故か触るのも嫌で摘まみながら目線まで上げれば添えていたカードの内容に目を通し)

『貴方に惚れました。いつも右斜め後ろからその姿を見ています、どうぞ食べてください(ﾊｧﾄ』

(読んだ瞬間背筋に冷たい何かが通り過ぎるがよく考えてみると右斜め後ろに居る人物は男だったと顔を上げた瞬間靴箱から此方をニヤニヤと見つめてくる目線とカチ合いこれが質の悪い悪ふざけだと分かれば馬鹿デカイチョコの角を相手に向かって投げ飛ばし)

ほーら毎年母さんにも見捨てられチョコが貰えないお前への将吾様からの逆チョコ、受け取って(ﾊｧt

(見事チョコが的中して痛みで床をゴロゴロと這いずり回る相手を後目にほくそ笑むとスタスタと階段を上って行き)

【バレンタインっすね´｀(笑)休憩中あげ】

<学園/高等部廊下>

…………………うぅ。
(ラッピングした箱を２つ手に廊下を行ったり来たりとうろうろし、どうしたものかと考えを巡らせ百面相を繰り広げ)

や、やっぱ買った方にしよ！
あーぁ、こうゆーとき料理出来るのが羨ましいよ。
(悩んだ挙げ句決意したらしく、しょんぼり呟いたあと教室に帰っていき)

【眠い。あげ】

<学園/下駄箱>

(きょろきょろ辺りを見渡しな人がいないのを確認するととある人物の下駄箱に箱を１つ詰め込み)

買ったやつだけど、ごめんね。
買ったやつだけど、ごめんね。
買ったやつだけど、ごめんね。

よし、三回唱えた！
("愛しの雛姫より"というカードを添え置き、再度辺りを見渡したあとそそくさとその場を立ち去り)

なんだか、ドキドキね。

【あげ落ち】

ｰ学園/校舎入り口ｰ

……………本命からのチョコまだ貰えてねーし俺、

(昼に散々な事があったのとまだ目的の人物から貰えてないのとで軽く気落ちしながら靴箱を開けると昼にはなかった箱に首を傾げるが取り合えず手に取りメッセージカードを読むと目を見開き直ぐ様周りにまだ相手が居ないかを確認し)

…っ、もう居るわけ…ないよな、

(確認するも辺りに居なければ小さく溜め息を付くが直ぐ様携帯を取り出せば『チョコ受け取りました。ほんとは手渡しが良かったけど貰えて嬉しい…ありがとう、将吾より』とメールを送り、手に持ったチョコの箱を口許に当てると目を閉じ"…顔が見たかった、"と呟き寮へと足を進め)

【雛ちゃんありがとう´｀愛しt(ry)！ｗあげ落ち】

ｰ寮/四階ｰ→自室

遅くなったけどチョコ置いとくね。今までコロッとバレンタインの事忘れてました、ごめんなさい

(例の彼の部屋の前に屈み白色でラッピングされた物を置くと小さく頬を緩め、思い出したようにメッセージカードを取り出すと懐からペンを取り出し『お返しは全身チョコレートまみれでリボンを巻いてきてね(ﾊｧﾄ』とむふふと端から見れば引くだろうニヤニヤしながら書き込むとそっと袋の下に挟み自室へ戻って行き)

………あぁ、想像だけで美味しそう

【なんだコイツ(爆)あげ落ち´｀】