私立織愛学園＊７９

［寮／談話室］

鏡、ダメですか？（櫛でとかしながらやっぱりダメかとまた落胆の溜め息をつけば髪がウェーブがかかりすぎてて櫛に絡み強引にブチブチっと音をたてながら相手のしようとしている事などに気づかずまたブチっと髪が切れて）

【寮二階/談話室】
水川

…お。結構可愛い顔してんじゃねえか。

（鏡を片方の手でどけてクイッと髪を分けるように相手の髪を軽く持つと、現れた相手の顔の真ん前に無表情でダルさ全開の顔が現れる形になって）

［寮／談話室］

山下先輩

………（相手のいきなりの行動に固まり口をパクパクさせた次の瞬間腰が引けていきそのまま足の力だけでジャンプしくるっと空中で一回転すれば自分の座っていたソファーの後ろに着地しそのまま恐ろしいものを見るかのように後ずさりし）

【寮二階/談話室】
水川

…………。
（非現実的なアクロバットを見届けた後数秒無言で固まっていたが何事もなかったかのように空になった缶を捨てに行き、またホットカフェオレを買い）

［寮／談話室］

山下先輩

（壁まで後ずされば混乱して先程とかした髪をまた両手でガシガシとかき乱し壁に向かって座り込み）

今……何をされた？
前髪、前髪……なんか顔（意味不明な事をブツブツと亡霊のように呟き）

【寮二階/談話室】
水川

んな事で一々ビクついてんじゃこの先やってけねーぞ。
（堂々と人前でスリーサイズ言えるくらい大胆にならねえと、と缶を片手にソファーに戻り）

ここにはな、男がたくさんいんだよ。ここじゃなくてもいるっつー事位わかってんだろ？
（いつか通る道なら今通った方が楽だろと少し強弱をつけながら念仏唱える相手に話しかけ）

［寮／談話室］

山下先輩

で、でも……最初からそんな事されたら
私、持ちません！（お母さん、お父さんとブツブツ呟いていれば相手の言葉に少しムッとし強い口調で言えばそれは相手との距離がある程度あり顔を見てないから言えた事で）

【寮二階/談話室→】
水川

デカい声出るんだったら最初っから出しとけ。
（まともな声量で反抗してきた事に対して反抗した内容を拾うのではなく先ほどの相手の声と声量が違う事を指摘して立ち上がり）

前髪でも切っておけ～、じゃあな。
（去り際に生徒に向け先生が課題を出すような口調で言って部屋を出て）

【きっかりで終わらせとく】

［寮／談話室］

山下先輩

それは……（きっと無理かもと後に続く言葉を飲み込んで前髪を切れという言葉に落胆し）

切れません
これ以上切ったら…カツラだってばれちゃうもん（相手の背中が見えなくなればそう呟いて荷物を取りにいって手に持ちそのまま歩きだし）

【了解です】

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