私立織愛学園＊７９

[寮一階／玄関]

……えぇ？僕も行くんですか、これ。

(外から帰り下履きを脱ぐ際名前を呼ばれ顔を上げれば自分を探していたという年輩の教師が目に入り挨拶を交わした次に夏合宿について書かれたプリントを渡されるとスリッパに足を通しながら字を目で追い)

【あげたい！】

<寮/1階>

常盤さん

あっ………！

(花瓶の水を取り替え玄関に戻しに両手で花瓶を持ち優しい眼差しで花を見つめて歩いていれば、目の前に先生らしき人を発見すると小さく反応して立ち止まったあと「こんばんは」と微笑みながら軽く頭をさげ)

【＼(^o^)／】

[寮一階／玄関]

佐伯さん

………、えっ。あ、こんばんは。

(先程階段へ向かい去っていった教師にプリントの内容について簡潔に説明をされたものの納得もいかず難しい顔で手元のそれを見ていればその中声を掛けられたために若干返答が遅れぎこちなく相手に向け笑みを浮かべ)

【ありがと(^^)】

<寮1階>

常盤さん

………、ご苦労様です

(まじまじと相手を見たあと格好から用務員か何かだと推測して小さく微笑み挨拶を返し、持っていた花瓶を玄関の棚に置き花を整え)

[寮一階／玄関]

佐伯さん

(じっと見つめられ怪訝に思い軽く首を傾げた後ご苦労様と言われれば何も言わず微笑み返して雑に折り畳んだプリントをポケットに突っ込むと相手の様子を眺め)

この花、君が世話したりしてるの？

<寮1階>

常盤さん

…はい、お世話しないと枯れてしまいますから

(相手に質問され花を整えたあと向き直り目を合わせれば照れ笑いしながら答え「あ、私1年生の佐伯ちえこです」と昨日の事を気にしてかどぎまぎして続け)

[寮一階／玄関]

佐伯さん

へー…。僕なんか世話してても枯れるのに。←すごいや。

(相手の言葉を聞いた後花瓶の花にちらりと目をやり自分が手入れしている校庭や中庭の花について独り言を漏らし妙に感心して次に自己紹介をされれば可笑しそうに笑いを溢して続けて)

…別にそんな改まらなくてもいいのに。あ、僕は常盤です。用務員の。

<寮1階>

常盤さん

え゛っ………！

(相手の言葉に思わず軽く顔を引きつらせ素の声で濁音を漏らせば、自分に落ち着けと言い聞かせ深呼吸して自己紹介を聞けばぴくっと反応し全面に荒々しくなり)

アンタ…用務員なのに…信じらんない！
たまに他に世話してる人いるなって思ってたけど、枯れさせてどうすんだよ！阿呆か！
あたしが1から花の育て方教えてやる！ついでにアンタのその腐った土も取り替えてやる！

[寮一階／玄関]

佐伯さん

………？！！！

(突然荒げた声がすればそちらに振り返りぎょっと肩を揺らし相手の勢いで二三歩退き目をぱちぱちさせながらなんなんだこの人と驚きと困惑が混じった表情で終始見つめ)

…腐った……つ、ち…？←

<寮1階/玄関>

常盤さん

ハァ…ハァ………、…はっ！

(ぶっ続けに浴びせた言葉に肩を揺らして息をしているとふと我に返り顔を赤らめ、やっちゃったと言うような表情を見せるがすぐにしょうがないと諦めると鋭い視線を相手に向け)

アンタの中身のこと！
用務員なら、それくらいちったぁできるようになれ！
花枯れさせる前に自分が枯れてるっつの！