私立織愛学園☆70

[学園別棟/体育館.室内プール]

クソ暑い……………

(着ているシャツをパタパタ扇ぎ微風を送りながらそう声を漏らして誰もいないプールサイドを歩いていれば、ふと立ち止まりその場に両手を着いて座り足だけ水の中にそっと浸してゆらゆら揺れる水面をじっと見つめていて)

【あげ！】

[別棟/室内プール]

→和泉先輩

……………､

貴様ァ､金を出せ｡さもないと突き落としちゃうぞコノヤロー｡

(昨夜の門限破りの罰として休日にも関わらずプールサイドの掃除をしていれば偶然腰を下ろす相手を見つけ一瞬逃げようか考えるが､プール面に近い相手より自分の方が優位だと悪知恵を働かせ後ろからゆっくり近付き持っていたブラシの柄の部分を相手の後頭部に突き付け決して脅しにはならない自己満な脅しを裏声で並べ)

【＼(^O^)／】

[別棟/室内プール]

→朝比奈

…………………誰に向かって口聞いてんだビンボー女

(耳が必要以上に良いせいか裏声でも相手だと分かり片眉を上げて低めの声でそう呟き、そのままの体勢で左腕を後頭部へ伸ばし相手の手首ごとがっしりと掴み)
　　　　・・
あんだよコレは。

[別棟/室内プール]

→和泉先輩

んぎゃあああああ!!離せ！離せ！離してくださいいいい！

あの､あれですあれ､人違いです｡てっきりクラスメートで委員長の山田君だと｡うっわー､後ろ姿とかめっちゃ似てたなーアハハハ←

(自分の手首ごと掴まれることは予想外だったのか危険を察し振り払うよう抵抗しながら叫び声を上げて､くだらない冗談を早口で並ばせ最後空笑いを溢し)

[別棟/室内プール]

→朝比奈

あァ？だったらその山田とやらを今すぐココに連れて来いよ、似てるかどうか確かめてやろうじゃねぇか

(水から足を上げすっと立ち上がって手を下ろし手首を荒っぽく離して口元に妖笑を浮かべながら話すと、相手の方に振り向くがそのまま通り過ぎプールサイドにあるベンチに腰かけ)

できねぇなら……、５０ｍ×１００な。

[別棟/室内プール]

→和泉先輩

残念でしたー山田は今海外旅行中ですぅ､………あぁ､羨ましいな､いいなァ､ボンボンは｡

そしてあたしは喘息持ちでしたー殺す気ですかこのやろう死ね←

(ブラシと共に乱暴に手を離されれば"うわっ"後ろによろめき姿勢を直すと横を通り過ぎていった相手の背中に向けて実はクラスメートの事実と素直な感想を溢し､振り返れば､ベンチに座り自分と距離をとっている相手には聞こえないだろうと調子に乗りプラス嘘まで加え)

[別棟/室内プール]

→朝比奈

……………………、
…………今あんつったァ？

(ぎろりと睨みを効かせて腕を伸ばし相手の近くにあったブラシを手に取ると、ゆっくりと立ち上がって近づいていきブラシの柄を相手の首元に向け黒いオーラを放ち始め)

命の恩人にんなこと言うとは、なかなか良い度胸じゃねぇか……

[別棟/室内プール]

→和泉先輩

何も言ってません嘘ですごめんなさい｡

(相手から殺意を感じれば首元に当てられたブラシの柄から逃れようと若干顎を引き気味にし極力相手と目を合わせないよう左上に目を泳がせ素早く謝罪し次の言葉にはなんのことかと"え？"と声を漏らして)

あたし､先輩に命捕られそうになったことは何度もありますけど救ってもらったことは……………←

[別棟/室内プール]

→朝比奈

嘘をつくときは目が泳ぐよな。

(相手の目をじろじろと観察しそう言えば背中を向け持っていたブラシをプールに思い切り投げつけると高笑いし、再びベンチに戻り腰を下ろして足を組み冷たい目を向け)

てめーの頭ん中はスッカスカだったんだな、やっぱり……

[別棟/室内プール]

→和泉先輩

((……あれが私じゃなくてよかった……………))

(相手によって飛ばされたブラシを目で追いながら怯えた様子でそんなことを思い､再びベンチに腰掛けた相手に目を戻せば"なんのことだかさっぱり"と恐る恐るも素直に伝え)

先輩､もう暗くなってきましたけど｡ここで野じ………じゃなくて､帰りませんか？