>>87【続き】
アルバムジャケットで表現された“異世界の地下神殿”【「AKIRA」ステージ】の中で繰り広げた「暗闇の中で飛べ」に続いて【センターステージ】へ移動してパフォーマンスした「革命」は、それまでのモノトーンの世界をガラリと覆すような、炎とレーザーが交わる圧倒的な迫力のヴィジュアルを提示してみせた。音とシンクロするようにスイッチされるカメラアングルは、通常のライブではあり得ない角度から生のパフォーマンスを切り取ってみせる。その画とタイミングがこれほど音楽的な自然さで、まるでそれらも音楽を構成する要素ででもあるかのように成立していることが、このオンラインライブが目指す“今しかできない映像表現”の本質なのではないかと思った。やはり真実は音の中にあるのだということがはっきりとわかった瞬間だった。
さらに特筆すべきは、パフォーマンス後に聴こえてくる歓声と拍手だ。これは、事前にラジオ番組を通じて募集した、ファン一人一人の“生の歓声”をMIXして作り上げたものだ。福山がMCでこのように表現したのがとても印象的だった。
「どこかの誰かのよくわからない声ではなくて“顔の見える声”ですよね。これまで年末に開催していた<福山☆冬の大感謝祭>でずっと聴いてきた声です。この声を聴いているだけでみんなの顔が思い浮かびます」